こんにちは。メンタルコーチの伴です!
今夜はサッカー、日本対ブラジルでした。
やはりブラジル強い!1-3でした。
サッカーは好きで良く見ているのですが、格上との対戦の時に活躍できる選手と格下との試合の時にだけ、活躍する選手がいるように思います。
もちろん技術や体力といった実力の差が最も大きな違いでしょうが、メンタル面の差もあります。
試合をやる限り、勝ちを目標にします(もちろん状況によって異なる場合もあります)。
相手が強ければ強いほど、勝ちという目標に対し、物理的にも心理的にも障害となります。
心理的な障害を乗り越えられる選手とそうじゃない選手の差は何か。
恐らく多くの方がその差は、“自信”だろうと思われるでしょう。
それも正しいです。
自信とは、望む結果が得られるかどうかに対する自身の目算です。
自信が高いということは、望む結果が得られると思っているわけです。
従い、自信が低い人よりも、相手が強いという障害を乗り越えられると信じ、行動に移せるのです。
ただ、自信の高さ以外にも、障害に立ち向かう姿勢に違いを生むメンタル要因があります。
それは、障害に対する捉え方です。
多くの人が、驚くかもしれませんが、この障害が高ければ高いほど、喜ぶ人がいます。
心理学の世界では、こういう人が持つマインドセットをGrowth Mindset(以下、成長マインドセット)と呼びます(Dweck, 2006)。
障害の高さが、自分の自信以上の場合、プレッシャーと呼ばれるストレス反応が出てきます。
成長マインドセットの人は、このプレッシャーを成長の糧だと捉えるのです。
自分のセミナーでは、例として孫悟空を用いたこともあります。
自分より強い相手と対峙した時、「ワクワクすっぞ」というのです。
この敵を倒す、つまり、この障害を乗り越えた先には、さらに強くなった自分がいるという考え方です。
これは、鳥山明ワールド内のみの話ではありません。
前田健太選手は、契約金額をどんなに買いたたかれようが、レベルの高いメジャーリーグで自分の力を伸ばしたいと、2年前にドジャースに移籍しました。
大谷翔平選手も、労使協定の関係で、契約金額の上限が低く設定されようが、メジャー挑戦を表明しました。
彼らの優先順位は、自身の成長なのです。
お金や名声ではないのです。
そういう人にとっては、相手が強いという障害は、自分を伸ばしてくれる成長の糧なのです。
逆に、お金や名声を優先する人にとってはどうでしょうか。
この試合で勝たないと、評価されない。
そういう風に捉えてしまうと、強い相手は邪魔な障害物でしかないわけです。
この差は、性格ではありません。
どこの視点から見ているかだけの差です。
なりたい自分という長期視点を考え続け、自分はこういう選手になるんだと明確なイメージを持っている選手は、目の前の評価に一喜一憂しないのです。
サッカー日本代表が若手の活躍でオーストラリアに勝利した時、控えに回っていた本田圭祐選手がインタビューで、「自分に危機感を与えてくれた若手に感謝」と言っていました。
悔しかったでしょうが、その局面さえもどう自分の成長につなげるかという視点でみている人の言葉だな、と思いました。
「なりたい自分をイメージする力」
これが格上との対戦で活躍できる選手かそうでないかの違いを生むというお話。
ちなみに、11月26日(日)の私のセミナーのメインテーマは、成長マインドセットを育む方法です。
ご興味ある人は是非!
それでは~
バンヒロ
米国在住中には、現地の高校の部活、大学の消防士育成コース、そしてプロサッカーチームの下部組織向けなどのメンタルコーチングを行ってきました。また、現在は日本の有名大学の体育会へのメンタルサポートを行っています。このブログでは、アメリカの大学院で教えるメンタルに関する知識とスキルはもちろん、私自身の経験を基に、“日常に使えるメンタルスキル”を提供を目的に更新していきます。
2017年11月11日土曜日
2017年8月5日土曜日
グロースマインドセットの育み方
こんにちは。メンタルコーチの伴です!
前回の投稿では、成功したければグロースマインドセットを持とうというお話をしました。
今回はどのようにグロースマインドセットを育んでいくのかを考えていきましょう(^^)/
まず、明確にしておきたいのは、これが唯一の方法だ、とかこれが最も有効なやり方だというものはないということです。
全てのメンタルスキルにも言えますが、有効なメンタルスキルは人それぞれ、このメンタルスキルが全人類に効く!というものはありません。
ここではいくつかのスキルを紹介しますが、自分に合うもの(納得できるもの)の取捨選択が必要になってきます(^^)
また、まだまだ知識不足の私の投稿ですので、ここに記載されない素晴らしいスキルがあることもご理解くださいね。
さて、グロースマインドへのシフト方法についてに戻ります。
1.自分のマインドセットを知り、グロースマインドセットの人ならどのように捉えるだろうかと考えてみる
当たり前のことですが、やはり自分の立ち位置を知ることから始まります。
これはメンタルトレーニングの基本、セルフアウェアネス(自己認知)と言います。
前回の投稿では、フィックスドとグロースマインドセットを対比的に紹介しましたが、白か黒かのどちらかということではなく、連続体です。どちらかというとグロースマインドセット寄りなんてこともあるわけです。
何かに直面した時に、自分はどのように捉えているのだろうかと考えてみることからはじめてください。
そして、自分がフィックスド寄りと感じたら、グロースマインドセット(能力は成長出来るという考え方)の人ならどう捉えるかなと考えてみることです。
グロースマインドセットという眼鏡を掛けて世界を見てみてください☆
2.捉え方を変えてみる
前回の投稿で紹介した研究で証明されていることですが、同じゲームでも、そのゲームをやる意図、捉え方によって、結果が大きく異なりましたよね。
これを意図的にやっていただきたい。
意識を向けるべきは下記二つです。
(1)コントロール出来ること
(2)考えられるポジティブなリアリティ
それぞれ見ていきます。
(1)コントロール出来ること
世界中のメンタルトレーナーが口を酸っぱくして言っていること。
それは
「結果はコントロールできない。コントロールできるのは、あなたのパフォーマンスのみ。パフォーマンスの積み重ねにより、結果がついてくる」
結果がすべて的な考えをアウトカムオリエンテーションと呼びます。勝利至上主義という意味合いで、"Win-at-all-costs" attitudeなんて呼ばれます。
行動を結果で評価するわけです。まーよくある話です。
こうなると、プロセスや成長は二の次になります。
逆にプロセスを優先し、評価する捉え方をプロセスオリエンテーションと呼びます。
結果はプロセスの副産物という捉え方です。
アスリートは勝つためにやっている、ビジネスパーソンは結果を出すことがノルマなので、結果至上主義になっても仕方ないと思われる方いらっしゃるでしょう。
研究を思い出してください。
フィックスドマインドセットのグループはアウトカムオリエンテーションでした。
グロースマインドセットのグループはプロセスオリエンテーションでした。
どちらのマインドセットが結果を出しましたか。
もちろん、結果を目標に頑張ることはとても重要です。それはあなたが進む方向を示してくれているコンパスのようなものです。
ですが、結果がすべてになってしまうと、研究のように、結果が出なさそうだなと感じるとやめてしまうなんてことに繋がるのですね。
これが、コントロール出来ること=自身の行動、つまりプロセスに意識を向ける重要性です。
(2)ポジティブな現実
もう一つ試していただきたいのは、目の前のタスクにおいて、それをやることのメリットをあらゆる視点から見ること。
研究では、一つのグループにはゲームをマネージメントスキルを図るものと捉えさせました。もう片方のグループには、スキルを向上させるものと捉えさせました。研究者が恣意的に。
それを自身の意志で、意図的に捉え方を変えてほしいのです。
念のため記載しますが、リスクマネージメントの観点からも、最悪なケースを想定し、準備しておくことは重要ですよね。それを否定しているわけではありません。
リスクを考えたうえで、その反対の側面、つまり、ポジティブな側面にも意図的に意識を目に向けてあげてほしいということです。
そして、大事なのは、それを心から思えるか。そういった意味で、現実的である必要があります。
この(1)、(2)の例をあげましょう。
いきなりですが、私は筆不精です。
ブログを更新することは、基本的には得意ではありません。
このブログを始めるにあたり、「何人に読んでもらえるようになろう」などを目的にすると続かないと考えました。
誰かにこのブログを読むように誘導(FBでシェアしたり)は出来ますし、していますが、他者の行動は自分のコントロール外。
じゃあ、自分がコントロールできることは何か。ブログを書くという行動のみですね。
このブログで、読んでもらえた方に有意義な知識とスキルを提供できることを書けるようになれば、学んできたことの整理と執筆の練習なるなぁと、自身の成長という視点で捉えるようにしました。
ブログの目的を、自分コントロール内かつ、ポジティブな現実になってますよね。
こう捉えると、周りからのご指摘が有難いわけです。成長の糧と捉えられるようになります。
ちょっとはグロースマインドセットにシフトしてきているのかなと感じます( *´艸`)
まだまだ、グロースマインドセットを育む方法はあります。
次回は、その方法の3つ目の「自信を高める」について書きますね。
それでは~
バンヒロ
前回の投稿では、成功したければグロースマインドセットを持とうというお話をしました。
今回はどのようにグロースマインドセットを育んでいくのかを考えていきましょう(^^)/
まず、明確にしておきたいのは、これが唯一の方法だ、とかこれが最も有効なやり方だというものはないということです。
全てのメンタルスキルにも言えますが、有効なメンタルスキルは人それぞれ、このメンタルスキルが全人類に効く!というものはありません。
ここではいくつかのスキルを紹介しますが、自分に合うもの(納得できるもの)の取捨選択が必要になってきます(^^)
また、まだまだ知識不足の私の投稿ですので、ここに記載されない素晴らしいスキルがあることもご理解くださいね。
さて、グロースマインドへのシフト方法についてに戻ります。
1.自分のマインドセットを知り、グロースマインドセットの人ならどのように捉えるだろうかと考えてみる
当たり前のことですが、やはり自分の立ち位置を知ることから始まります。
これはメンタルトレーニングの基本、セルフアウェアネス(自己認知)と言います。
前回の投稿では、フィックスドとグロースマインドセットを対比的に紹介しましたが、白か黒かのどちらかということではなく、連続体です。どちらかというとグロースマインドセット寄りなんてこともあるわけです。
何かに直面した時に、自分はどのように捉えているのだろうかと考えてみることからはじめてください。
そして、自分がフィックスド寄りと感じたら、グロースマインドセット(能力は成長出来るという考え方)の人ならどう捉えるかなと考えてみることです。
グロースマインドセットという眼鏡を掛けて世界を見てみてください☆
2.捉え方を変えてみる
前回の投稿で紹介した研究で証明されていることですが、同じゲームでも、そのゲームをやる意図、捉え方によって、結果が大きく異なりましたよね。
これを意図的にやっていただきたい。
意識を向けるべきは下記二つです。
(1)コントロール出来ること
(2)考えられるポジティブなリアリティ
それぞれ見ていきます。
(1)コントロール出来ること
世界中のメンタルトレーナーが口を酸っぱくして言っていること。
それは
「結果はコントロールできない。コントロールできるのは、あなたのパフォーマンスのみ。パフォーマンスの積み重ねにより、結果がついてくる」
結果がすべて的な考えをアウトカムオリエンテーションと呼びます。勝利至上主義という意味合いで、"Win-at-all-costs" attitudeなんて呼ばれます。
行動を結果で評価するわけです。まーよくある話です。
こうなると、プロセスや成長は二の次になります。
逆にプロセスを優先し、評価する捉え方をプロセスオリエンテーションと呼びます。
結果はプロセスの副産物という捉え方です。
アスリートは勝つためにやっている、ビジネスパーソンは結果を出すことがノルマなので、結果至上主義になっても仕方ないと思われる方いらっしゃるでしょう。
研究を思い出してください。
フィックスドマインドセットのグループはアウトカムオリエンテーションでした。
グロースマインドセットのグループはプロセスオリエンテーションでした。
どちらのマインドセットが結果を出しましたか。
もちろん、結果を目標に頑張ることはとても重要です。それはあなたが進む方向を示してくれているコンパスのようなものです。
ですが、結果がすべてになってしまうと、研究のように、結果が出なさそうだなと感じるとやめてしまうなんてことに繋がるのですね。
これが、コントロール出来ること=自身の行動、つまりプロセスに意識を向ける重要性です。
(2)ポジティブな現実
もう一つ試していただきたいのは、目の前のタスクにおいて、それをやることのメリットをあらゆる視点から見ること。
研究では、一つのグループにはゲームをマネージメントスキルを図るものと捉えさせました。もう片方のグループには、スキルを向上させるものと捉えさせました。研究者が恣意的に。
それを自身の意志で、意図的に捉え方を変えてほしいのです。
念のため記載しますが、リスクマネージメントの観点からも、最悪なケースを想定し、準備しておくことは重要ですよね。それを否定しているわけではありません。
リスクを考えたうえで、その反対の側面、つまり、ポジティブな側面にも意図的に意識を目に向けてあげてほしいということです。
そして、大事なのは、それを心から思えるか。そういった意味で、現実的である必要があります。
この(1)、(2)の例をあげましょう。
いきなりですが、私は筆不精です。
ブログを更新することは、基本的には得意ではありません。
このブログを始めるにあたり、「何人に読んでもらえるようになろう」などを目的にすると続かないと考えました。
誰かにこのブログを読むように誘導(FBでシェアしたり)は出来ますし、していますが、他者の行動は自分のコントロール外。
じゃあ、自分がコントロールできることは何か。ブログを書くという行動のみですね。
このブログで、読んでもらえた方に有意義な知識とスキルを提供できることを書けるようになれば、学んできたことの整理と執筆の練習なるなぁと、自身の成長という視点で捉えるようにしました。
ブログの目的を、自分コントロール内かつ、ポジティブな現実になってますよね。
こう捉えると、周りからのご指摘が有難いわけです。成長の糧と捉えられるようになります。
ちょっとはグロースマインドセットにシフトしてきているのかなと感じます( *´艸`)
まだまだ、グロースマインドセットを育む方法はあります。
次回は、その方法の3つ目の「自信を高める」について書きますね。
それでは~
バンヒロ
2017年8月4日金曜日
成功に導くマインドセット
こんにちは。メンタルコーチの伴です!
今回はマインドセットについてです。
マインドセットとは簡単に言うと、その人の考え方や価値観、優先順位を指します。
それぞれの経験、教育、時代の影響などで心の中で形成され、育まれていくものです。
ビジネス誌なんかでも、マインドセットって言葉をよく目にしますよね。
マインドセットは物事の捉え方、行動と密接に繋がっていますので、アスリートにとっても、ビジネスパーソンにとっても、大切なものです。
マインドセットはその人が住む世界です。
物事の捉え方です。
目の前にあることを、前向きに捉えられるマインドセットを作ることが出来れば、アスリートの長く過酷な練習も、ビジネスパーソンの難解なプロジェクトも、ポジティブな感情を纏いながら遂行できます。
アメリカの心理学者(スタンフォード大学教授)のキャロル・ドウェック氏が2006年に成功の導くマインドセットに関する研究を発表しました。
「フィックスド(Fixed)マインドセット VS グロース(Growth)マインドセット」
フィックスドマインドセットとは
「挑戦」
Fixed: 失敗は自身のクオリティが足りないことの証明と考えます。従い、挑戦は脅威と捉えます。
Growth: 挑戦は成長のチャンスです。むしろ挑戦できる場を探します。
「障害」
Fixed: 障害はつまづく可能性を生み出すわけですから、当然避けたがります。苦難に直面した時、あきらめやすくなります。
Growth: 障害も成長のチャンス。乗り越えることが出来る自分に出会える機会と捉えます。
「努力」
Fixed: 無駄なものです。能力は固定されているのですから。
Growth: 成長に直結する行動です。望んで努力します。
「批判」
Fixed: 自身のクオリティを否定されるものです。とにかく聞かないようにします。
Growth: 成長の糧です。批判から学ぼうとします。
「他者の成功」
Fixed: 自身のクオリティの低さを証明するものと考えます。他者の成功をねたみます。
Growth: 成功者から学べるがあると考えます。従い、他者の成功を喜びます。
ちょっと極端な記載をしてしまいましたが、同じ事象でも、こんなにも捉え方が変わるということを理解していただけましたでしょうか??
グロースマインドセットは成長に直結する行動を促す考え方です。
その行動の積み重ねが、結果成功につながるということなんですね。
アスリートのインタビューを聞いていると、「あぁ、この決断はグロースマインドセットの表れだなぁ」なんて感じることが多いです(^^)
より厳しい環境に身を置く日本人メジャーリーガーやサッカー選手などなどね。
一つ研究をご紹介します。アメリカでWood氏とBandura氏がマネージャー経験のあるMBAの生徒向けに行った研究です。
生徒達には、家具屋を経営する複雑なシミュレーションゲームが与えられました。高い生産性を生み出すことを目指すゲームで、適材適所の人材配置やそれらの人材にやる気を持たせる指示の出し方まで決めなければならないものでした。特に時間の制限は設けられていませんでしたが、目指す生産性の値もかなり高く設定されていて、あえて難解なものされていました。
研究者は生徒たちを二つのグループに分けました。
片方のグループには、「このゲームはあなたの能力、資質を図るものです。結果が出せれば、経営者として成功する可能性が高い」と伝えられました。フィックスマインドセットへの誘導ですね。
もう片方には、「経営者としての能力、資質は成長し伸びていくものです。このゲームは必要な知識、スキルを学べます。」成長に意識を向けさせました。グロースマインドセットへの誘導です。
どちらのグループが高い生産性を達成したと思いますか?
グロースマインドセットのグループですね。大差の圧勝です。
フィックスドマインドセットのグループの生徒たちは、評価を気にし、醜態をさらすことを恐れ、早い段階でゲームをあきらめていきました。
グロースマインドセットの生徒たちは、評価を気にせず学び続けました。ミスやフィードバックから学び、戦術を変えながら、成長していきました。
結果、高い生産性を達成したわけです。
グループのメンバーは無作為に選ばれました。優秀な生徒を集めたわけでもありません。
もともとグロースマインドセットの生徒を集めたわけでもありません。これがすごい!
ゲームに対する捉え方を変えるだけで、こんなに差が出てくるんだということを教えてくれる研究ではありませんか(^O^)/?
マインドセットはあなたが住む世界です。
どんな世界に住みたいでしょうか。
周りの人があなたをどう思うか。大事ですよね。大事ですが、あなたがコントロールできることではありません。
あなたがコントロールできるのは、自身の行動とマインドセットです。
自分の力を周りに証明するために使っている時間を、成長のための時間に変えましょう!
変えることはできます!
どうやって?
それは次回のブログで。
それでは~
バンヒロ
今回はマインドセットについてです。
マインドセットとは簡単に言うと、その人の考え方や価値観、優先順位を指します。
それぞれの経験、教育、時代の影響などで心の中で形成され、育まれていくものです。
ビジネス誌なんかでも、マインドセットって言葉をよく目にしますよね。
マインドセットは物事の捉え方、行動と密接に繋がっていますので、アスリートにとっても、ビジネスパーソンにとっても、大切なものです。
マインドセットはその人が住む世界です。
物事の捉え方です。
目の前にあることを、前向きに捉えられるマインドセットを作ることが出来れば、アスリートの長く過酷な練習も、ビジネスパーソンの難解なプロジェクトも、ポジティブな感情を纏いながら遂行できます。
アメリカの心理学者(スタンフォード大学教授)のキャロル・ドウェック氏が2006年に成功の導くマインドセットに関する研究を発表しました。
「フィックスド(Fixed)マインドセット VS グロース(Growth)マインドセット」
フィックスドマインドセットとは
- 自身の能力、人柄などは持って生まれたもので、成長するものではないという考え方(Fixed=固定されている)
- 従い、自身のクオリティが大きいことを証明することが優先事項になる
グロースマインドセットとは
- 自身の能力、人柄などは成長して変わっていくものという考え方(Growth=成長)
- 従い、優先事項は自身の成長となる
冒頭にマインドセットはその人が住む世界と言いました。
それぞれのマインドセットの人にとって、事象がどう見えてくるか一緒に考えていきましょう。
「挑戦」
Fixed: 失敗は自身のクオリティが足りないことの証明と考えます。従い、挑戦は脅威と捉えます。
Growth: 挑戦は成長のチャンスです。むしろ挑戦できる場を探します。
「障害」
Fixed: 障害はつまづく可能性を生み出すわけですから、当然避けたがります。苦難に直面した時、あきらめやすくなります。
Growth: 障害も成長のチャンス。乗り越えることが出来る自分に出会える機会と捉えます。
「努力」
Fixed: 無駄なものです。能力は固定されているのですから。
Growth: 成長に直結する行動です。望んで努力します。
「批判」
Fixed: 自身のクオリティを否定されるものです。とにかく聞かないようにします。
Growth: 成長の糧です。批判から学ぼうとします。
「他者の成功」
Fixed: 自身のクオリティの低さを証明するものと考えます。他者の成功をねたみます。
Growth: 成功者から学べるがあると考えます。従い、他者の成功を喜びます。
ちょっと極端な記載をしてしまいましたが、同じ事象でも、こんなにも捉え方が変わるということを理解していただけましたでしょうか??
グロースマインドセットは成長に直結する行動を促す考え方です。
その行動の積み重ねが、結果成功につながるということなんですね。
アスリートのインタビューを聞いていると、「あぁ、この決断はグロースマインドセットの表れだなぁ」なんて感じることが多いです(^^)
より厳しい環境に身を置く日本人メジャーリーガーやサッカー選手などなどね。
一つ研究をご紹介します。アメリカでWood氏とBandura氏がマネージャー経験のあるMBAの生徒向けに行った研究です。
生徒達には、家具屋を経営する複雑なシミュレーションゲームが与えられました。高い生産性を生み出すことを目指すゲームで、適材適所の人材配置やそれらの人材にやる気を持たせる指示の出し方まで決めなければならないものでした。特に時間の制限は設けられていませんでしたが、目指す生産性の値もかなり高く設定されていて、あえて難解なものされていました。
研究者は生徒たちを二つのグループに分けました。
片方のグループには、「このゲームはあなたの能力、資質を図るものです。結果が出せれば、経営者として成功する可能性が高い」と伝えられました。フィックスマインドセットへの誘導ですね。
もう片方には、「経営者としての能力、資質は成長し伸びていくものです。このゲームは必要な知識、スキルを学べます。」成長に意識を向けさせました。グロースマインドセットへの誘導です。
どちらのグループが高い生産性を達成したと思いますか?
グロースマインドセットのグループですね。大差の圧勝です。
フィックスドマインドセットのグループの生徒たちは、評価を気にし、醜態をさらすことを恐れ、早い段階でゲームをあきらめていきました。
グロースマインドセットの生徒たちは、評価を気にせず学び続けました。ミスやフィードバックから学び、戦術を変えながら、成長していきました。
結果、高い生産性を達成したわけです。
グループのメンバーは無作為に選ばれました。優秀な生徒を集めたわけでもありません。
もともとグロースマインドセットの生徒を集めたわけでもありません。これがすごい!
ゲームに対する捉え方を変えるだけで、こんなに差が出てくるんだということを教えてくれる研究ではありませんか(^O^)/?
マインドセットはあなたが住む世界です。
どんな世界に住みたいでしょうか。
周りの人があなたをどう思うか。大事ですよね。大事ですが、あなたがコントロールできることではありません。
あなたがコントロールできるのは、自身の行動とマインドセットです。
自分の力を周りに証明するために使っている時間を、成長のための時間に変えましょう!
変えることはできます!
どうやって?
それは次回のブログで。
それでは~
バンヒロ
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