2017年9月12日火曜日

“プレッシャーに強い人”になる方法

こんにちは。メンタルコーチの伴です。


今回はプレッシャーに関する投稿です。


“プレッシャーの掛かる大会で練習通りの力を出せない”、これは相談を受ける中で一番多い悩みかもしれません。


先日ある大学の部活の合宿に帯同させていただき、スポーツ心理学とは?メンタルトレーニングとは?という話をさせてもらう機会がありました。


競技の特徴もその理由でしょうが、競技者達の悩みの大多数がプレッシャー関連でした。


私自身も学生時代はテニスをしていた時、スポーツ心理学を学び始めたきっかけは、どうやってプレッシャー環境下で実力を発揮するか、というものでしたし、アスリートの親御さんから、息子が本番にとことん弱いタイプなのだが、どうしたらいいのかという相談を受けたこともあります。


“本番に弱いタイプ”、それを変わらない人間性だと捉えられている方が多いですが、科学的根拠を基に強く否定します。これは鍛錬できる“メンタルスキル(脳の使い方)”なのです。


その脳の使い方を習得する方法を書いていきます!


まずは、なぜプレッシャーが起こるのか、について考えましょう。


プレッシャーとは、ある外的要因によって引き起こされるストレスの一種です(Dosil, 2006)。


プレッシャーが発生する流れについて、Pearlin氏(1981)のストレスプロセスモデルを基に説明します。




脳はあるイベントに対し、自動的に2ステップで状況把握を行います。

(1)自身に利害関係があるかどうか。
(2)そのイベントにおいて得たい結果を得られるリソース(能力、スキル、サポート含む全ての資源)があるかどうか。


イベント=競技大会としましょう。


大会での結果がどうであれ自分には影響を及ぼさないと認識した場合、プレッシャーは出てきません。


逆に、結果が自身にとって重要と認識した場合は(2)の自身のリソースとの比較に移ります。


ここで、自身のリソースがあれば確実に望んでいる結果が手に入ると認識した場合、プレッシャー(ストレス反応)は出てきません。


逆に、望んでいる結果が手に入らない、もしくは、手に入るかわからないという認識をした時にプレッシャーが出てくるという流れです。


ちなみに「認識」という言葉を使っているのは、リソースの実態ではなく、リソースに対するセルフイメージ(自信)とストレス要因(ここでいう大会)との比較であるからです。


ただ、どの競技においても言えることですが、“結果”というのは競技者のプロセスによる副産物であり、コントロール出来ないものです。


従い、どれだけ自信が高くとも、結果に対する不確実性というものは残ります。結果を残したい。でも結果を残せるかわからない。そんな考えが生まれ、プレッシャーは出てくるというのは至極当然のことなのです。


プレッシャーを感じているということは、自身が目の前のイベントを重要視しているサインと捉えてあげることが第一歩です。


さて、プレッシャーの発生プロセスはわかりました。でもそれがどのようにパフォーマンスに影響を与えているのでしょうか。


結論から言うと、結果を残したいという思考が、本来集中しなくてはならないものへの集中力を阻害するからです(Boutcher, 2002; Magill, 1997)。


勝ちたいと思うと、「これは失敗できない」、「このポイント大事だぞ」なんて思考が出てきます。


本来集中しなくてはならないものとは、もちろん競技により異なりますが、良いパフォーマンスをするための技術的なポイントだったり、戦術を決定するための情報だったりします。


人の意識というのは限られた資源です。それを勝てるかな、勝てないかな、という思考に消費する間、集中しなくてはならないことを見逃してしまうということなのです。


では、どのようにプレッシャーをコントロールするかについて、2つのアプローチを紹介します。


(1)プレッシャー自体を軽減する
(2)意識をコントロールする方法を身に付ける


それぞれのアプローチに関し、2つずつスキルを書いていきますね。

(1)プレッシャー自体を軽減する

①自身の強みに目を向ける癖をつける

上記では、プレッシャーは自身に対するリソース(いわば自信)とストレス要因の比較で出てくる、また、結果はコントロール出来ないものなので、その不確実性がプレッシャーを生むという話をしました。


プレッシャーがなくなることはありませんが、自信が高いとプレッシャーという感情が軽減します。


前回の投稿で、日本人は不安を抱きやすい人種であるという研究を紹介しました。自分に厳しい人ほど、持っているものよりも、足りないものに意識が行きがち。悪いことではありませんが、自信を持ちにくいという話でした。


なので、あえて自身の持っているもの、強みは何かということを意識的に考えるようにする。その思考の繰り返しが、リソースに対する認識をポジティブに深め、結果プレッシャーを軽減することに繋がります。


②“なぜ”を考えることでプレッシャーを軽減する

プレッシャーは望む結果に対し、達成できるかどうかの不確実性により出てくるということでした。


この望む結果を、トロフィーや順位ではなく、自分の成長にリンクさせられるとプレッシャーは軽減されます。


私が通っていたデンバー大学大学院の教授がメントレを行っていたアルペンスキーヤーのお話です。


冬季オリンピックでのこと。一回目の滑走が終わりトップのため、2回目の滑走順が最後に割り振られました。


自身の前の滑走者が、素晴らしい滑りをし、さらに良い滑りをしないと金メダルを取れない状況で出番が回ってきました。


その状況にとても緊張を覚えたそうです。ただ、その状況で彼女が行ったメンタルスキルは、“なぜスキーをやっているか”を振り返ることでした。


「オリンピックで金メダルを取ることは、目標である。ただ、スキーをずっと続けている目的は、この大好きなスポーツをさらにうまくなりたいということだ。この緊張する場面で、いつもの滑りを出せる自分に挑戦する。そちらのほうが金メダルを取ることよりも大事だ。」


そう考えたそうです。人は結果に囚われがち。そしてそれがプレッシャーを肥大化させるのです。


なぜそれを始めたのかを考えることで、その目的を思い出すことで、プレッシャーを低減するスキルの素晴らしい例です。


そのスポーツを始めたころの想いを思い返してみてください。なぜそれを始めたのでしょうか。大会で優勝するためだったでしょうか。大会での結果は目標であり、目的ではないはずです(無論、練習時には、目標もやる気を引き起こすためには必要ですが)。


(2)意識をコントロールする方法を身に付ける

プレッシャー環境下で、実力発揮を阻害しているのは、集中すべきタスクから意識が離れてしまっているからだという話をしました。


①プロセスゴールを見極める

従い、集中すべきタスク何かを見極めることから始まります。そして、それは望む結果からのプロセスへの細分化で見い出せます(Weiberg, 2002; Gould, 2001)。


望む結果(アウトカムゴール)
   ↓
アウトカムゴールを達成するために必要なパフォーマンス(パフォーマンスゴール)
   ↓
パフォーマンスゴールを達成するために集中すべきタスク(プロセスゴール)


スキーを例にすると、下記になるかと思います。

アウトカム:〇〇秒でゴールする

パフォーマンス:納得のいく完璧なターンを最低5回する

プロセス:外側に体重を乗せる

※スキーは全くやったことがないので、内容の正当性よりも、やり方をご理解いただければと思います。コーチなどがいるようであれば、どのようなプロセスゴールを設定すべきかを相談して決めていくことをお勧めします。


〇〇秒でゴールすることを目指すわけですが、レース中に結果を考えることは、阻害要因でしかありません。


望む結果を得るために集中すべきプロセスゴールをレース前に決めておくことで、限られた資源である意識を有効に使うというアイディアです。


プロセスゴールは、戦略によっても異なると思います。会場のコンディションなどにより変わるでしょう。技術面、戦術面を考慮に入れたうえで、得たい結果に直結するプロセスゴールを設定することがキーです。


このプロセスゴールが多すぎても、パニックになる要因になります(Hardy, Jones & Gould, 1996)。ですので、集中できる範囲で決められることが重要です。


②セルフトーク(キューワード)

集中する対象が決まった後は、それにどのように意識を集中させるかということが大事になってきます。


最もよく使われているスキルにセルフトークというものがあります。


セルフトークとは、自分自身への声掛けであり、脳がポジティブなセルフトークで満たされるとパフォーマンスが発揮されやすくなるという研究が多数あります(Weinberg & Gould, 1999; Bunker, Williams & Zinsser, 1993)


ここでは、意識のコントロールのツールとして紹介します。


プレッシャーの掛か大会中には、冷静時に考えられることが、全く考える余裕がなくなることもしばしばあります。そんな時でも、プロセスゴールをリマインドできるキューワード化をすることが有効です(Zinsser, Bunker & Williams, 2001)。


外側に体重を乗せる、を「外」などのシンプルなキューワードとし、レース中に、「外、外」と自身に語り掛けることで、プロセスゴールに意識を向けることが出来るのです。



プレッシャー対策のための2つのアプローチ、(1)プレッシャー自体を軽減する、(2)意識をコントロールする方法を身に付ける、ご理解いただけましたでしょうか。


ご自身の競技(ビジネスパーソンの方はプレゼンなど)に当てはめて、考えてみることでさらに理解は進みますよ(^^)/


それでは~
バンヒロ

2017年9月4日月曜日

希望に溢れる子供の育て方

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


9月1日は1年で最も未成年の自殺数が多い日なのだそうです。夏休み明けの学校初日、いじめられたりしている子は学校に戻りたくないと考えるのでしょう。


ニュースで知り、とても悲しい気持ちになりました。少し経ってしまいましたが、そんな子供たちを救える方法について考えてみようと思いました。


子供たちが自殺に至るまでの思考プロセスに思いを巡らせてみると、置かれた状況を抜け出す希望が見いだせなかったのではないかと胸が痛みます。


友達と仲良くしたい。当たり前の感情であり、多くの子供が望んでいることでしょう。


その望む結果に反し、いじめという現実を突きつけられる。


「どうやったら、この状況を抜け出し、仲良くなれるのか。」


色々考えてみても、なかなか方法を見い出せない。乗り越えられる自信も持てない。


そして、自分の未来に絶望してしまい、自殺という行動に追い込まれて行ってしまうということなのではないでしょうか。


子供に対し自分の力で希望を見い出せというのは酷な話なので、周りのサポートがとっても重要です。親として、指導者として、メンタルトレーナーとしてどのように“希望に満ち溢れる脳を育むか”という長期的な視点をテーマにします。


学術的には希望とは、下記2つの和であると定義づけられています(Rand & Cheavens, 2009; Snyder, 2000)。

(1)望ましい結果のために、困難を乗り越える道筋を立てられる力
(2)その道筋を実行するやる気またはやり抜く力


希望は困難に直面した時こそ力を発揮します。


高いレベルで希望を持っている人は、失敗よりも成功について考えることがわかっています(Snyder, 2000)。効果的な達成方法を見い出し、かつ、自信を高く保つことできるため、目標達成する可能性が高まるわけです。


友達からいじめを受けるという困難に直面した時に、絶望に打ちひしがれるのではなく、この状況をどう好転させられるかを考えられる脳を育てることで、最悪の結果(=自殺)を抑止するというアイディアです。


では、どのようにすればこの“希望”を育むことができるのでしょうか。


その答えは、上述の希望に関する定義にあります。

(1)望ましい結果のために、困難を乗り越える道筋を立てられる力
(2)その道筋を実行するやる気またはやり抜く力


日常の例を使って、一つずつ考えていきましょう。

(1)望ましい結果のために、困難を乗り越える道筋を立てられる力


例えば、次の運動会の徒競走で一番になりたいA君がいるとします。同じ組には現時点で自分より足の速い子がいるそうです。


望む結果=徒競走で1番になる
困難=同じ組に自分より足の速い子がいる


結果達成の方法として、「正しいフォームを学び、それを身に付けることで、自身の走力を上げること」が挙げられるでしょう。


本人が思いつくようであれば素晴らしいですね。もしその方法を思い浮かばない場合には、周りの大人がリソースとなり、有効な方法を設定する手助けをしてあげることが重要です。


さらに、この方法で行くと決めた場合、正しいフォームに関する情報も必要ですね。ネットで調べるもよし、図書館に連れていくもよし、専門家に依頼するもよし、そういうリソースを提供してあげるサポートをしてあげましょう。


こういう日々の経験を通して、望む結果をどのように達成するかという問題解決への道筋を立てられる力を高めてあげることが希望に溢れる脳を作るポイントです。


Snyder氏(2000)の研究では、たくさんの困難を経験している人ほど、高いレベルの希望を抱きやすいということが明らかになっています。


可愛い子には旅をさせよ。我が子が可愛いなら世の中の辛さや苦しみを経験させたほうが良いという意味のことわざですが、科学的に証明されているんですね。


ただ突き放すのではなく、必要に応じて親や指導者がリソースになってサポートしてあげてください(^^)


(2)立てた道筋を実行するやる気とやり抜く力

やり抜く力とはいわば自信です。


先ほどの例を使うと、正しいフォームを身に付ければ足の速い子に勝てるんだと、自分の能力を信じられるかどうかです。


自信は、過去の経験に対する本人の捉え方の積み重なりで作られるセルフイメージです。ですから、日ごろから自身の良かったことに目を向ける思考の癖を作ることが自信を高めるうえで大きな役割を果たします。


ある体験の結果の原因を何に求めるのかを理論化した帰属理論というものがあります(Heider, 1958; Weiner et al, 1971)。


楽観的な人と悲観的な人では、下記のような差があると言われています(Seligman, 1991)。




説明します。

楽観的な人は、うまくいったときに「これは自分の○○が良かったんだな」と内的要因に原因を結びつけます。逆にうまくいかなかったときは、運がなかったなど外的な要因に結びつけます。


かたや、悲観的な人はその逆です。うまくいったときには、「今回はたまたま調子が良かった」などと外的な要因に結びつけ、うまくいかなかったときには、「私の○○が良くなかったんだ」と内的な要因に結びつけるのです。


ギクッとした方多いかもしれません。


日本は悲観的と呼ばれる脳を持つ人が世界で一番多いという統計があります。


悲観的なことが悪いわけではありません。うまくいかなかった原因をそのままにしない日本人の素晴らしい性格がものづくりのレベルを高めていることは間違いありません。


ですが、自信の観点から見ると、悲観的な思考は自信を積み上げにくい、ということなんです。


でも、ご安心ください。


この楽観主義は獲得できるスキルだと証明されています(Seligman, 1991)。親御さん、指導者の方は、子供の自信を高めるためには、成功した体験の後には、内的な部分(努力、能力、思考など)で何が良かったのかを考える機会を与えてあげるようにしてください。



その積み重ねが、自分の強みを認識する手助けになり、いずれ思考の癖になってきます。


その思考の癖により、自信が高められ、困難にぶつかったときにやり抜く力としてお子さんをサポートします。


一昨日のこと、たまたまですが、大手メーカーに勤める友人が研修で、ビジネスパーソンとして成功する2つの能力として、問題解決能力前向きさであると習ったと聞きました。


まさに“希望”じゃないか~と思いました。


自殺を防止するというテーマで考えていたことが、企業が必要としている人材にもつながってくるんだなと、今これ書いていてワクワクしてます(笑)


数字だけ見ると人口減少で将来への不安が募ってしまいますが、一人一人の質的には何やら“希望に満ちた若者が多いジャパン”になってほしいなと思いますし、そうなれるようなサポートをこのメンタルコーチという仕事を通じて行っていきたいと思います。


話はそれましたが、希望にあふれる子供は育てられる、そして、そのためには周りのサポートが必要!というお話でした。


それでは~
バンヒロ

2017年8月26日土曜日

「勝てる人になりたい」松山選手へのメントレ案


こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回は、前々回に書いた「松山選手のコメントから考えるゴルフにおけるメンタルタフネス」の続きです。


その投稿では勝てるゴルファーとして下記4つが特に必要な心理的資産だというお話をしました。

(1)気が散る要因がたくさんある中で、自身のタスクに意識を集中させるスキル
(2)自信を高め維持するスキル、特にミスショットの後にも自分の能力を信じるスキル
(3)ベストパフォーマンスを発揮しやすい気持ちの高まりをコントロールするスキル
(4)物事を前向きに捉えることが出来る視点を持つ

では、どのようなこれらのメンタルスキルを獲得するのか、というのが今回のこの投稿のテーマです

とその前に、大事なポイント!

メンタルトレーニングでは、このトレーニング方法が全ての人に効果的!というものはありません。ここで紹介するのは、その効果が研究で実証されているもののみですが、それは多くの人に効果があったという話で、全ての人に効くというわけではありません。
ですから、どれがクライアントに効くのかを使ってみて、これ効果あるな、これ違うなという風にトライ&エラーを繰り返しながらメントレのプログラムをテイラーメイドで作っていくのです。

さて、本題に戻ります(^^)/

メントレ案:

(1)自身のタスクに意識を集中させるスキル
"Let go of the past(過去を手放す)"という考え方を知る

ゴルフの特徴は、18ホールをプレーするということです。各ホールが新たなミニゲームなのです。前のホールでミスがたくさん出てダブルボギー(ホールに入れるまで平均より2打多く打ってしまうこと)であったとしても、次のホールはまた一から他の競技者と一緒に打ち始めます(当然スコアには関係してきますが)。

となると、前のプレーを引きずる意味はなく、出来ることと言えば、常に新たな気持ちでそこからのベストを目指すことです。

冷静な状況で言われれば当たり前なのですが、スコアに囚われていると、色々と計算してしまったり、あそこでミスが出なければという考えが浮かんできます。

その考えを手放すことが重要。それがLet go of the past(過去を手放す)ということです。

Cohn(1991)が研究でゾーン(ベストパフォーマンスが出せている状態)にいるときの状況を多くのトップゴルファーからアンケートを取りました。彼らが共通して答えたのはは、「余計なことを考えていなくて、自分のタスク・パフォーマンスに没頭している状態」、「ミスショットを打つ不安など一切考えていなかった」でした。


まずはこの事実を知っておくことです。


セルフトーク(キューワード)

そして、実際に必要なものに意識を向けるテクニックとして、キューワード(Cue word)を紹介します。

何に集中し、何に意識を向けないようにするかという選択が常に求められる状況下で、短い合言葉を持っておくことはとても有効です。


"今に集中"

"このショットが今からのゲームの始まり"

などの短い言葉を持つことで、過去からに意識を向けることができます。



Owen & Bunker(1992)の研究ではLDT guidelineというスキルが提唱されました。
Lie
(ボールが止まっている場所、芝の状態)
Distance(ピンまでの距離)
Trajectory(打つボールの軌道)

の頭文字を取って、LDTです。


LTDとつぶやくことで、集中すべきことをリマインドしてあげる。

ゴルフ経験者ならこれらを確認するのは当たり前と思うかもしれません。試合中のカオスの状態では、冷静に考えればいいことがわからなくなることがあります。このようなシンプルな言葉で確認すべきことをリマインドすることで、状況判断力の向上、パフォーマンスに対する不安をコントロールできるメリットをもたらします(Owen & Bunker, 1992)


(2)自信を高め維持するスキル、特にミスショットの後にも自分の能力を信じるスキル
自信は選択であることを知る

自信とは、過去の経験を基に作られた自分の能力に対するセルフイメージです。


アメリカでは、Confidence is a choiceとよく言われています。

何に目を向けるのかはあなたの選択という意味です。

自信は確かに過去の経験から作られますが、経験を積めば積むほど勝手に高まっていくものではありません。あなたがそれをどう捉えたかによって自信が積み上げられるのか、そのままなのかが決まります(Dosil, 2006)


ゴルフの例で考えてみましょう。何万本の素晴らしいショットを打ってきているゴルファーがいるとします。


前回のショットがミスしてしまったとしましょう。その時に

「あぁ、前回ミスしてしまった。今回のショットうまくいくかなぁ」

と捉えるか、

「前回ミスしたけど、何万本の素晴らしいショットを打ってきているんだ。淡々とタスクに集中するだけ」

と捉えるか、どっちが自信を高められると思いますか?

ポイントはどちらの思考も間違っていないということです。


どの状況においても、最もポジティブな現実に目を向けることが出来るかで違いを生みます。


自信は選択である、という意味がご理解いただけましたでしょうか。

こういう思考の癖をつけることが、自信に溢れた人間になる近道です。


イメージトレーニング

自信が高い人は、そのタスクが失敗かどうか、失敗したらどうなるかというネガティブな面よりも、それが成功する理由、成功した情景により時間を割いているということがわかっています(Dosil, 2006)


ショットを打つ前に、理想のショットを打っている自分をイメージしてあげることで、自信が高まり、素晴らしいパフォーマンスが出る可能性を高めます(Nicklaus & Bowden, 1974; Bandura, 1997)

そして、そのイメージの有効性を高めるには、五感を活用することです(Goss, Hall, Buchholz & Fishburne, 1986; Janelle, 1999)


視覚(どんな景色か)
嗅覚(どんな匂いがするか)
聴覚(どのような音が聞こえているか)
触覚(クラブを握った感覚、体の力み具合など)
味覚(どんな味がするか)これにおいてはゴルフには使えないかもしれませんが。


極力多くの感覚を交えてあげることで、脳が経験したことと錯覚し、自信に繋がります。

逆に失敗する情景を思い浮かべてしまうと、自信低下につながり、良いパフォーマンスが出る可能性が下がります。


(3)ベストパフォーマンスを発揮しやすい気持ちの高まりをコントロールするスキル

人はそれぞれパフォーマンスが出やすい自身の最適な緊張レベルというものがあります(Hanin, 1997, 2000)。下記イメージ参照。


2ステップ:
1.自身の最適な緊張度を知ること
2.緊張度を調整するスキルを見つけること


1.自身の最適な緊張度を知ること
最もよく使われている方法は、過去のベストパフォーマンスを振り返り、パフォーマンス前にどのような状況だったか克明に思い出してみることです(Hanin, 1999)


また、緊張度をスケールにしてみることもわかりやすいでしょうね。0-10、0を寝ている状態、10を緊張度マックスとし、それを記録していくと、自信のパフォーマンスが出ている時の緊張度の傾向が出てきます。

 2.緊張度を調整するスキルを見つけること
最適な緊張度がわかってくると次は最適な緊張度に持ってくるスキルが必要です。
下げることをサイクダウン、上げることをサイクアップなんて呼びます。


【サイクダウン例】
・深呼吸(Taylor & Wilson, 2002)
・動き回る(Taylor, 2001)
・リラックスできる情景を思い浮かべる(Taylor & Wilson, 2002)


【サイクアップ例】
・浅く呼吸を行う(Taylor & Wilson, 2002)
・アップテンポな音楽を聴く(Rider & Achterberg, 1989; Williams & Harris, 2001)
・優勝を決める最後のパッティングをイメージする(Zaichkowsky & Takenaka, 2001)


昔緊張したら、手のひらに人という字を三回書いて飲み込むなんて方法を教えられましたが、その方法が有効という研究は見当たりませんでした()


(4)物事を前向きに捉えることが出来る視点を持つ

これは、(2)自信で述べたことと似ているかもしれません。


最もポジティブな現実を見つける思考の癖を身に付けるということです。


スリーステップ:
1.ストレスに気づく
2.ストレスの理由を明らかにする
3.最もポジティブな現実を見つける


例を挙げて考えましょう。

1.ストレスに気づく
「前の組が遅く、プレーを待たなくてはならないことにストレスを感じている。」


2.ストレスの理由を明らかにする
「待つ=自分のペースを崩されると考えているから、待つことにストレスを感じているんだな。」


3.最もポジティブな現実を見つける
「待つことによるポジティブな現実ってなんだろう。ポジティブなイメージトレーニングを出来る時間をもらったということだな。」


どちらの思考も現実ですが、ポジティブな側面に目を向けることにより、感情をコントロールできます。


ストレス=ネガティブと捉えられる方は多いかもしれませんが、そうではありません。ストレスをうまく向きあうことで、脳の機能を活性化(記憶力、集中力、情報処理能力アップ)させたり、ケガを早く回復させる、免疫力が高まるなどの効果が証明されています(Achor, 2013)


メントレってこんなことやるんだ~と理解いただきたい一心で書いていたら、長くなってしまいました( ;;)

まぁ、簡単なイメージだけでも掴んでいただけると嬉しいです。


それでは~
バンヒロ

2017年8月20日日曜日

ビジネスパーソンにメントレが必要な理由~海外営業職編~

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回の投稿では、ビジネスパーソンにおけるメンタルタフネスについて考えていきます。


私自身が7年間ロシアの石油・天然ガス業界向けに産業機械の営業をしていたこともあり、今回は数ある業種の中でも「海外営業職編」とさせていただきます。


自分が従事していた仕事の特徴をザクっと上げていきます。異なる職種の方でも、当てはまる部分は多々あるのかなと思います。


(1)日々の業務の蓄積が結果につながる(スポーツでは与えられた舞台での結果が全て)

(2)仕事の結果が出てくるのに時間が掛かる(スポーツではその場で結果が出る)

(3)やりたくてやっている仕事もあるが、“やらされて”やる仕事が多い

(4)思い通りにいかないことの連続

(5)上司や同僚、ビジネスパートナー、顧客との関係づくりが重要

(6)年間の半分を海外で過ごす。日本でのプライベートの時間は削られる

(7)出張では達成すべきミッションがある。大型契約の交渉となると、数週間缶詰めになることもざら

(8)海外だと平社員でも大手企業の社長レベルへ突然プレゼンする機会が与えられたりすることがある

(9)拘束時間が長い。疲弊した状態で帰宅し、家を出ることもしばしば


…これらを楽しめる人にとっては海外営業職はエキサイティングなお仕事です。


上述から考える成功に必要な心理的資産って何でしょうか(^^)?


メインなものとしては下記4つなんかが挙げられるのかなと思います。


1.やる気の向上と維持(上述(1)~(3)に付随するメンタルスキル)

多くの仕事で、日々の行動の蓄積が結果になるものがほとんどなんじゃないかと思います。その日々の行動を後押ししてくれるのがやる気です。

アメリカ海軍特殊部隊(NAVY Seals)は、訓練のコアとしてメンタルトレーニングを取り入れています。長期間にわたる、過酷な長時間の日々のトレーニングを行うために、やる気を高め維持するというのは必要不可欠なメンタルスキルです。

裏を返せば、やる気はコントロールできるということです。

何万もの研究がやる気の高め方を実証しています。皆さんに最も馴染みのある方法は、目標設定でしょう。


2.ストレスの捉え方と対処(上述(4)~(6)に付随するメンタルスキル)

ストレスと聞くと、マイナスのものと捉えられる方が多いと思います。しかし、ストレスは捉え方と使い方によっては、集中力を高めたり脳の情報処理能力を高めるなどの効果をもたらすことが研究でわかっています(Hancock & Weaver, 2005)。

そして、Hom & Arbuckle(1988)の仕事の成功の要因を調べた研究では、25%程度は知能、それ以外の75%は、周りのサポートとストレス要因を前向きに捉える力だと結論付けました。その%はさておき、思い通りにいかないことにも、前向きに捉えられるポジティブな脳があれば、毎朝起きるのが楽しみになりそうですね。

ストレスを抑制することはできません。でも、ストレスを味方につけることはできるのです。


3.プレッシャー環境下でのパフォーマンス促進(上述(7)、(8)に付随するメンタルスキル)

アスリートと比べると、一般的にはビジネスパーソンプレッシャー環境下でパフォーマンスを行う回数は少ないものと思います。それでも、人前のプレゼン等は緊張を感じたりします。その場合、練習通りにやればいいんだなんてアドバイスを送られたりしますが、それができれば、苦労しません。

アスリートにとっては、このスキルは最重要スキルと言っても過言ではないでしょう。どれだけ、追い込んでトレーニングを行っても、大会で結果を出せなければ評価されませんから。

Boutcher氏(2002)の研究で、プレッシャー環境下でいつも通りのパフォーマンスを出せていない要因の一つとして、自身のタスクに集中できていないことであると実証しました。

「次のショットうまくいくかな」
「このポイントは相手に取られたら痛い。ミスるな」
「このプレゼン失敗したらどうなるかな」


このような思いが出ているということは、タスクに集中できていないのです。意識は限られた資源、使うに値するものに使う能力が求められます。


4.心理的疲弊の効率的なリカバリースキル(上述(9)に付随するメンタルスキル)

体力的な疲労は感じやすく対策が取られていますが、心理的な疲労は無視されがちのように感じます。

脳を休ませてあげることで、やる気を取り戻したり集中力が増したり、仕事に対してワクワク感が戻ってくることがわかっています(Dosil, 2006)。


こういったところでしょうか。


ここでは必要なメンタルスキルについて書きました。


それらスキルを、実際にどのように習得するのかを研究し、教えてくれるのがメンタルコーチ、メンタルトレーナーです。


本来全く怪しいものではないんです。


このブログで少しでもメンタルトレーニングに興味が湧いていただければ幸いです!


ちなみに、8月27日(日)10-12時@蒲田(大田区産業プラザPiO)のセミナーでは、上述スキルのモチベーションとストレスについてご説明します(^^)/


まだ席はありますので、ご興味ある方は是非お越しください。


今回書くはずだったゴルファーにおけるメンタルタフネスはまた次回書きます。


それでは~
バンヒロ

2017年8月17日木曜日

「勝てる人になりたい」松山選手のコメントから考えるゴルフにおけるメンタルタフネス

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


先日の全米プロ選手権(メジャー大会)で松山選手が5Tになりましたね。


本人は悔しかったのでしょう。競技後のインタビューで涙、見ていて自分も涙してしまいました。


最終日一時トップに立ち、優勝が見えたからこそ悔しさが増したのでしょう。


メジャー大会5位で悔し涙を流せる位置(世界のトップ)に来ていることの証明だなぁ、すごいなぁと捉えましたが、素人意見なのでしょうか()


松山選手のインタビュー中で、「勝てる人になりたい。何をしたらいいかわからないけど、また一生懸命、練習したいなと思います」という言葉がありました。


それを聞いて、技術のことはわかりませんが、メンタル面において、「勝てるゴルファー」ってどんな心理的資産を持ているのだろうかと疑問が湧きました。今回のブログのテーマは、研究で明らかになっている「勝てるゴルファー」について、書いていきます。


 
まずは、ゴルフの簡単な特徴について。


(1)競技自体の難易度が高い。例えば、日本人男子プロの2017年シーズンのティーショットにおけるフェアウェイキープ率は、トップの選手でも70%ちょい(10回に3回は狙っているフェアウェイに乗らないわけです)


(2)18ホールを回るのに35時間程度(1日の競技時間)かかる。実際にスイングをしている時間はそのうち、2-3%程度と短い。従い、考える時間が多く、思考の整理、情報収集の制度といったメンタルコントロールがとても重要となってくる


(3)基本的には自身との戦いであるが、13名の競技者とグループを組んでプレーする。のプレーは当然目に入ってくる。また、ほかの競技者のプレースピード、観衆などたくさんの阻害要素の中でのプレーが求められる

(4)ルール、エチケットが複雑


ゴルフをやられたことのない方からすれば、止まったボールを固定されたホールに入れるシンプルなターゲットゲームのように思えるかもしれませんが、メンタルコントロールの観点で、心理的に最も難しいスポーツと言われています。


さらに、松山選手の置かれた立場から考えると、メジャー優勝を目指して、ゴルフをやられてきているでしょうし、「日本人初のメジャー制覇」と騒がれたり、結婚&お子さん誕生のメモリアルなタイミングということもあり、勝ちたい思いはそれはもう強かったんだろうと察します。


上述のような競技の特徴と大きなプレッシャーの中で、勝てる選手とはどういった心理的資産が必要なのでしょうか。


(モチベーション維持といった競技能力を高めるためのメンタルスキルと、大会などで持てる競技能力を発揮するためのメンタルスキルがあります。今回の投稿では、後者にフォーカスします。)


(1)気が散る要因がたくさんある中で、自身のタスクに意識を集中させるスキル


人の意識っていうのは、限られた資源なんですね。一つのことに集中すると、他の事に意識が向かなくなります。脳は同時に複数のことに意識を向けられません。観客の声、他の競技者のスコア、勝ちたいという想い、色々な要素が頭の中を駆け巡ります。その中で、意識を向けるに値するものを選択し、その他の要素をブロックするスキルが要求されます。

Zinsser氏ら (2001)の研究では、世界トップゴルファーはショットの直前から直後までに高い集中力を見せ、それ以外は必要な情報に意識を向けながらもリラックスした状態を作っていることがわかっています。


(2)自信を高め維持するスキル、特にミスショットの後にも自分の能力を信じるスキル

上述のように、難易度の高い競技ですから、自信を持って、ショットに取り組めるかが、パフォーマンスを左右します。良いショットが打てると、自信が上がるのは確かですが、いつも自身のメントレ指導でお伝えするのは、ショットがうまくいったかどうかに左右されるのではなく、まず自分から自信を高め、維持することで、良いショットが出る可能性を高めてほしいということです。特にミスショットを打つと、次うまくいくか不安になりますが、それまで何万本のナイスショットを打ってきている方が、最後の一本のショットのミスにネガティブ影響を受けるのはナンセンス、積極的に正当な自信を纏うスキルが重要です。

ゴルフではないですが、テニスに特化した研究を見つけました。Loehr氏(1984)が数百人のアスリートにインタビューをした結果、自信の高さが実力発揮に多大に影響しているという結果を導き出しました。これ以外にも、自信は成功における要素であることはたくさんの研究がサポートしています。


(3)ベストパフォーマンスを発揮しやすい“気持ちの高まり”をコントロールするスキル

前回のアイアンマンにおけるメンタルタフネスについての投稿でも書きましたが、人それぞれのパフォーマンスが発揮されやすい気持ちの高まり(インテンシティ)があります。ゴルフのような繊細なタッチを要求される競技では、一般的に引くレベルの気持ちの高まり(俗にいう冷静さ)が要求されます。冷静さを保つスキルが重要になってきます。


4)物事を前向きに捉えることが出来る視点を持つ

例えば、前の組が遅くて、少し待ちの時間ができた時に、早くしろとイライラするのか、ショットのイメージトレーニングができる時間をもらえたと捉えるのか、色々な視点があります。同じ状況でも、捉え方によって全然違う感情が出てきますよね。

トップゴルファーは他のゴルファーより、プレー中にネガティブな感情が少ないことがThomas & Over氏(1994)の研究でわかっています。後者で捉えられる脳の使い方したいですね☆


とまぁ、思いつくメインのメンタルスキルを上げるとこういうものでしょうか。


あえてスキルという言葉を使いました。なぜなら、先天的もしくは育った環境や経験でナチュラルにできる方もいますが、これらは知識を得る、またはトレーニングすることですべての方が獲得できるものだからです!


 
では、どのようにトレーニングすればいいのか?これは次回の投稿で書いていきます(^^)



それでは~
バンヒロ

2017年8月13日日曜日

アイアンマンレース成功のために必要なメンタル

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回はアイアンマンという競技の特徴から見る成功に必要な心理的資産について考えていきます!


アイアンマン70.3は、スウィム1.9km、バイク90.1km、ラン21.1kmの計113.1kmをこなす競技です。(アイアンマンはその倍です。。出来るのかな( ;∀;))


ざっくりとした特徴としては…

(1)スイム、バイク、ランと3種による全身運動であること
(2)そしてそのレースの距離が長いこと
(3)レースの過酷さから、当然トレーニングの量と質が要求される
(4)泳ぎのパートでは死者が出ることもある


まぁ一言で表すと体力的にも心理的にも過酷です。


でも、希望はこういった忍耐スポーツの成功にもメンタルスキルが有効であるという研究があるということです(笑)(O'Conner, 1992)


スポーツ心理学を学んでいて良かったーーーーー!!!


さて、そんなアイアンマンに挑戦する初心者アスリートさんにどのようなメンタルトレーニングを提供しようかなぁ(^◇^)


私が考えるメインの成功に必要な心理的資産を目的別にリストアップするとこんなとこでしょうか。

(1)長い練習期間においてやる気を起こし、持続させる(モチベーション、レジリアンス、自信)

・モチベーションコントロール「目標設定」
・自信を高める「コンフィデンスビルディング」
・モチベーションを持続させるスキル「反響プロセス」


(2)過酷な練習を過酷に捉えないようにポジティブ感情の力を借りる(ポジティブな思考の癖を身に付ける、リフレーミング)

・ポジティブ脳を作る毎朝10分の瞑想
・練習の辛さを目標に向かって進んでいる証と捉えるリフレーミング


(3)大会当日にエネルギーを持続させつつ、モチベーションは維持する状態を作る(インテンシティコントロール)

・練習時から、自身にとっての最適なインテンシティレベルを探る
・最適なインテンションレベルを維持する自身にとって最適な方法を探る


(4)恐れを克服する(ストレスコーピング)

・(私は特に泳ぎが苦手なので、)水泳に対する恐れの根源を見極める
・根源を理解したうえで、それを乗り切るコーピングストラテジーを組み立てる


(5)エネルギーを持続させるための集中力を養う(アテンションコントロール)

・長いレースの中で、意識を向けるに値するものしないものの整理を行う


(6)定期的な充電期間の設定で心身共にチャージする(リカバリープラン)

・(長い準備期間なので)積極的に、かつ、定期的に休んで心身ともに充電する
(怠けものの私の場合はオーバートレーニングにはならないでしょうが、自分がやりたいと思って練習できる状態を作ることがキーですね。)


とまぁ、こんな感じでしょうか( ◠‿◠ )


すぐにレースがあるわけではないので、上述の順番でのトレーニングで良いかもと思います。


もしレースがあるのであれば、(3)(4)(5)のトレーニングの優先順位が上がりますが。


なお、あくまで上述のトレーニングは一案です。それぞれ個別の心理的な課題(伸びしろ)がありますので、それに沿ってトレーニングをプランニングしていくことが重要です。


次回以降、このような感じでスポーツ別メンタルトレーニングについて、考えていきます☆


それでは~
バンヒロ

アイアンマンへの挑戦

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


来年6月に愛知県の知多半島で行われる「アイアンマン70.3 セントレア知多半島ジャパン」に参加することにしました。
(まだ日程も発表されてませんし、登録も受け付けていませんので、勝手にやるぞーと言っているだけです。悪しからず!)


アイアンマン70.3とは、コースの距離が70.3マイル(約113km)という意味で、いわゆるアイアンマンレース(225km)の半分の距離のものです。


トライアスロンのオリンピックディスタンス(51.5km)のものは去年完走しました。来年は、112.5km。再来年に225km完走を目指すつもりです。


理由はいくつかありますが、一番は自分が学んできたメンタルトレーニングの力を自分で体感したいということです。


ゴルフ、テニス、プレゼン…日常の至る所で自分自身メンタルアプローチを取ってきました。よりアスリートの近い立場でものを見られるように、自身を厳しい状況に追い込み、直面させ、メントレしながら体感したいなと思いました。


厳しいスポーツって何だろうと考えた時、真っ先に思いついたのが、トライアスロンです。トライアスロンのオリンピックディスタンスは昨年完走。来年はもう少し距離を伸ばして、アイアンマン70.3に挑みます。今からトレーニングを開始します。


それにあたり、自分がこの初心者アイアンマン競技者のメンタルコーチだったら、どのようなメンタルトレーニングを提供するかという視点でブログを書いていこうと思います(^^)


次回の投稿では、アイアンマンという競技の特徴から見る成功に必要な心理的資産について考えていきます!


それでは~
バンヒロ