突然ですが、獰猛なサメに関する質問です。
1900年以降、日本でサメに殺された人数は何人くらいだと思いますか?
是非本当に考えてみてください。
118年間ですから、1年で1人だとしたら118人。
2人なら236人。
5人だとしたら、590人
正解は、15人だそうす。
8年に1人くらいの割合ですね。
あれ、思ったより少ない?と感じられた方が多いかもしれません。
これ、アメリカの大学院の最初の授業で聞かれた質問でした。
(アメリカ内の数字でしたが。)
アメリカはサメ遭遇率が最も高い国だそうです。
宝くじに当たる確率や雷に打たれる確率よりも低いと言われています。
それなのになぜ人は、シャークアタックを恐れるのでしょうか。
答えは、映画ジョーズの影響が大きそうです。マジです(笑)。
それに加えて、サメに襲われて命を落としたとか、片腕を失ったというショッキングな事故が大々的にメディアで取り上げられるからだと言われています。
それにより恐怖心が無駄に煽られてしまったのです。
このように直感は、簡単に操作されます。
もう一つ例を挙げましょう。
日本で広まっている血液型診断。
A型は○○、B型は○○…というあれです。
これ、日本特有のものです。
心理学では、血液型と日本で言われている性格分類の因果関係は証明されていません。
でも何となく正しいように感じる…。
その理由は、誰にでも当てはまりそうな項目だったり、刷り込み(正しいと思う考え方があると、肯定する情報ばかりが印象に残る)と言われています。
血液型診断を、友達同士の会話であーだこーだ言っている分には、問題はないと思います。
しかし、それを根拠に、企業が採用を行うとか、パートナーを選ぶなどに応用した場合、うまくいく確率は上がらないということです。
直感がいつも間違っているというわけではないですが、外の情報に影響(悪く言えば操作)されやすいですよ、ということです。
サメの質問の後、教授がどや顔で「直感がいかに脆いかわかるだろ?」と言いながら、「だからこそ、科学的根拠に基づいた知識を持つことが重要だ」と教えてくれました。
経験則に頼るのは、直感よりもうまくいく可能性が上がるかもしれません。
しかしそれでも、まだ不十分です。
なぜなら、
その行動を取ったから、うまくいったのか。
その行動を取ったのに、うまくいったのか。
が、わからないからです。
現実世界では、複雑な事象が入り組んでいますよね。
これをやったから、効果が出たんだという因果関係をはっきりさせることは非常に難しいのです。
そういった因果関係を科学的に解明してくれているのが、研究です。
そして、科学的に行われた研究の集合知が理論と呼ばれます。
ここまで言っておきながらなんですが、研究で証明されたことが100%正しいというわけではない、というのが心理学の面白いところです。
例えば、将棋などで勝つ確率を高めるためにセオリーを学びますよね。
将棋でのセオリーとは、勝てる確率を高める攻め方のことを言います。
それと同じと考えてもらえるとわかりやすいかもしれません。
セオリーの日本語訳が理論です。
つまり、理論を学ぶということは、望ましい結果を得る可能性を高めてくれることなのです。
100%正しいとは言えませんが、理論以上に正しいと言える根拠はないのです。
理論のない実践は危うい。
実践のない理論は空論でしかない。
理論を根拠とした実践を追い求める姿勢が、あなたを一流へと導きます。
「私のことは嫌いになっても、理論のことは嫌いにならないでね~」というお話でした。
それでは~
バン
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