2017年8月26日土曜日

「勝てる人になりたい」松山選手へのメントレ案


こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回は、前々回に書いた「松山選手のコメントから考えるゴルフにおけるメンタルタフネス」の続きです。


その投稿では勝てるゴルファーとして下記4つが特に必要な心理的資産だというお話をしました。

(1)気が散る要因がたくさんある中で、自身のタスクに意識を集中させるスキル
(2)自信を高め維持するスキル、特にミスショットの後にも自分の能力を信じるスキル
(3)ベストパフォーマンスを発揮しやすい気持ちの高まりをコントロールするスキル
(4)物事を前向きに捉えることが出来る視点を持つ

では、どのようなこれらのメンタルスキルを獲得するのか、というのが今回のこの投稿のテーマです

とその前に、大事なポイント!

メンタルトレーニングでは、このトレーニング方法が全ての人に効果的!というものはありません。ここで紹介するのは、その効果が研究で実証されているもののみですが、それは多くの人に効果があったという話で、全ての人に効くというわけではありません。
ですから、どれがクライアントに効くのかを使ってみて、これ効果あるな、これ違うなという風にトライ&エラーを繰り返しながらメントレのプログラムをテイラーメイドで作っていくのです。

さて、本題に戻ります(^^)/

メントレ案:

(1)自身のタスクに意識を集中させるスキル
"Let go of the past(過去を手放す)"という考え方を知る

ゴルフの特徴は、18ホールをプレーするということです。各ホールが新たなミニゲームなのです。前のホールでミスがたくさん出てダブルボギー(ホールに入れるまで平均より2打多く打ってしまうこと)であったとしても、次のホールはまた一から他の競技者と一緒に打ち始めます(当然スコアには関係してきますが)。

となると、前のプレーを引きずる意味はなく、出来ることと言えば、常に新たな気持ちでそこからのベストを目指すことです。

冷静な状況で言われれば当たり前なのですが、スコアに囚われていると、色々と計算してしまったり、あそこでミスが出なければという考えが浮かんできます。

その考えを手放すことが重要。それがLet go of the past(過去を手放す)ということです。

Cohn(1991)が研究でゾーン(ベストパフォーマンスが出せている状態)にいるときの状況を多くのトップゴルファーからアンケートを取りました。彼らが共通して答えたのはは、「余計なことを考えていなくて、自分のタスク・パフォーマンスに没頭している状態」、「ミスショットを打つ不安など一切考えていなかった」でした。


まずはこの事実を知っておくことです。


セルフトーク(キューワード)

そして、実際に必要なものに意識を向けるテクニックとして、キューワード(Cue word)を紹介します。

何に集中し、何に意識を向けないようにするかという選択が常に求められる状況下で、短い合言葉を持っておくことはとても有効です。


"今に集中"

"このショットが今からのゲームの始まり"

などの短い言葉を持つことで、過去からに意識を向けることができます。



Owen & Bunker(1992)の研究ではLDT guidelineというスキルが提唱されました。
Lie
(ボールが止まっている場所、芝の状態)
Distance(ピンまでの距離)
Trajectory(打つボールの軌道)

の頭文字を取って、LDTです。


LTDとつぶやくことで、集中すべきことをリマインドしてあげる。

ゴルフ経験者ならこれらを確認するのは当たり前と思うかもしれません。試合中のカオスの状態では、冷静に考えればいいことがわからなくなることがあります。このようなシンプルな言葉で確認すべきことをリマインドすることで、状況判断力の向上、パフォーマンスに対する不安をコントロールできるメリットをもたらします(Owen & Bunker, 1992)


(2)自信を高め維持するスキル、特にミスショットの後にも自分の能力を信じるスキル
自信は選択であることを知る

自信とは、過去の経験を基に作られた自分の能力に対するセルフイメージです。


アメリカでは、Confidence is a choiceとよく言われています。

何に目を向けるのかはあなたの選択という意味です。

自信は確かに過去の経験から作られますが、経験を積めば積むほど勝手に高まっていくものではありません。あなたがそれをどう捉えたかによって自信が積み上げられるのか、そのままなのかが決まります(Dosil, 2006)


ゴルフの例で考えてみましょう。何万本の素晴らしいショットを打ってきているゴルファーがいるとします。


前回のショットがミスしてしまったとしましょう。その時に

「あぁ、前回ミスしてしまった。今回のショットうまくいくかなぁ」

と捉えるか、

「前回ミスしたけど、何万本の素晴らしいショットを打ってきているんだ。淡々とタスクに集中するだけ」

と捉えるか、どっちが自信を高められると思いますか?

ポイントはどちらの思考も間違っていないということです。


どの状況においても、最もポジティブな現実に目を向けることが出来るかで違いを生みます。


自信は選択である、という意味がご理解いただけましたでしょうか。

こういう思考の癖をつけることが、自信に溢れた人間になる近道です。


イメージトレーニング

自信が高い人は、そのタスクが失敗かどうか、失敗したらどうなるかというネガティブな面よりも、それが成功する理由、成功した情景により時間を割いているということがわかっています(Dosil, 2006)


ショットを打つ前に、理想のショットを打っている自分をイメージしてあげることで、自信が高まり、素晴らしいパフォーマンスが出る可能性を高めます(Nicklaus & Bowden, 1974; Bandura, 1997)

そして、そのイメージの有効性を高めるには、五感を活用することです(Goss, Hall, Buchholz & Fishburne, 1986; Janelle, 1999)


視覚(どんな景色か)
嗅覚(どんな匂いがするか)
聴覚(どのような音が聞こえているか)
触覚(クラブを握った感覚、体の力み具合など)
味覚(どんな味がするか)これにおいてはゴルフには使えないかもしれませんが。


極力多くの感覚を交えてあげることで、脳が経験したことと錯覚し、自信に繋がります。

逆に失敗する情景を思い浮かべてしまうと、自信低下につながり、良いパフォーマンスが出る可能性が下がります。


(3)ベストパフォーマンスを発揮しやすい気持ちの高まりをコントロールするスキル

人はそれぞれパフォーマンスが出やすい自身の最適な緊張レベルというものがあります(Hanin, 1997, 2000)。下記イメージ参照。


2ステップ:
1.自身の最適な緊張度を知ること
2.緊張度を調整するスキルを見つけること


1.自身の最適な緊張度を知ること
最もよく使われている方法は、過去のベストパフォーマンスを振り返り、パフォーマンス前にどのような状況だったか克明に思い出してみることです(Hanin, 1999)


また、緊張度をスケールにしてみることもわかりやすいでしょうね。0-10、0を寝ている状態、10を緊張度マックスとし、それを記録していくと、自信のパフォーマンスが出ている時の緊張度の傾向が出てきます。

 2.緊張度を調整するスキルを見つけること
最適な緊張度がわかってくると次は最適な緊張度に持ってくるスキルが必要です。
下げることをサイクダウン、上げることをサイクアップなんて呼びます。


【サイクダウン例】
・深呼吸(Taylor & Wilson, 2002)
・動き回る(Taylor, 2001)
・リラックスできる情景を思い浮かべる(Taylor & Wilson, 2002)


【サイクアップ例】
・浅く呼吸を行う(Taylor & Wilson, 2002)
・アップテンポな音楽を聴く(Rider & Achterberg, 1989; Williams & Harris, 2001)
・優勝を決める最後のパッティングをイメージする(Zaichkowsky & Takenaka, 2001)


昔緊張したら、手のひらに人という字を三回書いて飲み込むなんて方法を教えられましたが、その方法が有効という研究は見当たりませんでした()


(4)物事を前向きに捉えることが出来る視点を持つ

これは、(2)自信で述べたことと似ているかもしれません。


最もポジティブな現実を見つける思考の癖を身に付けるということです。


スリーステップ:
1.ストレスに気づく
2.ストレスの理由を明らかにする
3.最もポジティブな現実を見つける


例を挙げて考えましょう。

1.ストレスに気づく
「前の組が遅く、プレーを待たなくてはならないことにストレスを感じている。」


2.ストレスの理由を明らかにする
「待つ=自分のペースを崩されると考えているから、待つことにストレスを感じているんだな。」


3.最もポジティブな現実を見つける
「待つことによるポジティブな現実ってなんだろう。ポジティブなイメージトレーニングを出来る時間をもらったということだな。」


どちらの思考も現実ですが、ポジティブな側面に目を向けることにより、感情をコントロールできます。


ストレス=ネガティブと捉えられる方は多いかもしれませんが、そうではありません。ストレスをうまく向きあうことで、脳の機能を活性化(記憶力、集中力、情報処理能力アップ)させたり、ケガを早く回復させる、免疫力が高まるなどの効果が証明されています(Achor, 2013)


メントレってこんなことやるんだ~と理解いただきたい一心で書いていたら、長くなってしまいました( ;;)

まぁ、簡単なイメージだけでも掴んでいただけると嬉しいです。


それでは~
バンヒロ

2017年8月20日日曜日

ビジネスパーソンにメントレが必要な理由~海外営業職編~

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回の投稿では、ビジネスパーソンにおけるメンタルタフネスについて考えていきます。


私自身が7年間ロシアの石油・天然ガス業界向けに産業機械の営業をしていたこともあり、今回は数ある業種の中でも「海外営業職編」とさせていただきます。


自分が従事していた仕事の特徴をザクっと上げていきます。異なる職種の方でも、当てはまる部分は多々あるのかなと思います。


(1)日々の業務の蓄積が結果につながる(スポーツでは与えられた舞台での結果が全て)

(2)仕事の結果が出てくるのに時間が掛かる(スポーツではその場で結果が出る)

(3)やりたくてやっている仕事もあるが、“やらされて”やる仕事が多い

(4)思い通りにいかないことの連続

(5)上司や同僚、ビジネスパートナー、顧客との関係づくりが重要

(6)年間の半分を海外で過ごす。日本でのプライベートの時間は削られる

(7)出張では達成すべきミッションがある。大型契約の交渉となると、数週間缶詰めになることもざら

(8)海外だと平社員でも大手企業の社長レベルへ突然プレゼンする機会が与えられたりすることがある

(9)拘束時間が長い。疲弊した状態で帰宅し、家を出ることもしばしば


…これらを楽しめる人にとっては海外営業職はエキサイティングなお仕事です。


上述から考える成功に必要な心理的資産って何でしょうか(^^)?


メインなものとしては下記4つなんかが挙げられるのかなと思います。


1.やる気の向上と維持(上述(1)~(3)に付随するメンタルスキル)

多くの仕事で、日々の行動の蓄積が結果になるものがほとんどなんじゃないかと思います。その日々の行動を後押ししてくれるのがやる気です。

アメリカ海軍特殊部隊(NAVY Seals)は、訓練のコアとしてメンタルトレーニングを取り入れています。長期間にわたる、過酷な長時間の日々のトレーニングを行うために、やる気を高め維持するというのは必要不可欠なメンタルスキルです。

裏を返せば、やる気はコントロールできるということです。

何万もの研究がやる気の高め方を実証しています。皆さんに最も馴染みのある方法は、目標設定でしょう。


2.ストレスの捉え方と対処(上述(4)~(6)に付随するメンタルスキル)

ストレスと聞くと、マイナスのものと捉えられる方が多いと思います。しかし、ストレスは捉え方と使い方によっては、集中力を高めたり脳の情報処理能力を高めるなどの効果をもたらすことが研究でわかっています(Hancock & Weaver, 2005)。

そして、Hom & Arbuckle(1988)の仕事の成功の要因を調べた研究では、25%程度は知能、それ以外の75%は、周りのサポートとストレス要因を前向きに捉える力だと結論付けました。その%はさておき、思い通りにいかないことにも、前向きに捉えられるポジティブな脳があれば、毎朝起きるのが楽しみになりそうですね。

ストレスを抑制することはできません。でも、ストレスを味方につけることはできるのです。


3.プレッシャー環境下でのパフォーマンス促進(上述(7)、(8)に付随するメンタルスキル)

アスリートと比べると、一般的にはビジネスパーソンプレッシャー環境下でパフォーマンスを行う回数は少ないものと思います。それでも、人前のプレゼン等は緊張を感じたりします。その場合、練習通りにやればいいんだなんてアドバイスを送られたりしますが、それができれば、苦労しません。

アスリートにとっては、このスキルは最重要スキルと言っても過言ではないでしょう。どれだけ、追い込んでトレーニングを行っても、大会で結果を出せなければ評価されませんから。

Boutcher氏(2002)の研究で、プレッシャー環境下でいつも通りのパフォーマンスを出せていない要因の一つとして、自身のタスクに集中できていないことであると実証しました。

「次のショットうまくいくかな」
「このポイントは相手に取られたら痛い。ミスるな」
「このプレゼン失敗したらどうなるかな」


このような思いが出ているということは、タスクに集中できていないのです。意識は限られた資源、使うに値するものに使う能力が求められます。


4.心理的疲弊の効率的なリカバリースキル(上述(9)に付随するメンタルスキル)

体力的な疲労は感じやすく対策が取られていますが、心理的な疲労は無視されがちのように感じます。

脳を休ませてあげることで、やる気を取り戻したり集中力が増したり、仕事に対してワクワク感が戻ってくることがわかっています(Dosil, 2006)。


こういったところでしょうか。


ここでは必要なメンタルスキルについて書きました。


それらスキルを、実際にどのように習得するのかを研究し、教えてくれるのがメンタルコーチ、メンタルトレーナーです。


本来全く怪しいものではないんです。


このブログで少しでもメンタルトレーニングに興味が湧いていただければ幸いです!


ちなみに、8月27日(日)10-12時@蒲田(大田区産業プラザPiO)のセミナーでは、上述スキルのモチベーションとストレスについてご説明します(^^)/


まだ席はありますので、ご興味ある方は是非お越しください。


今回書くはずだったゴルファーにおけるメンタルタフネスはまた次回書きます。


それでは~
バンヒロ

2017年8月17日木曜日

「勝てる人になりたい」松山選手のコメントから考えるゴルフにおけるメンタルタフネス

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


先日の全米プロ選手権(メジャー大会)で松山選手が5Tになりましたね。


本人は悔しかったのでしょう。競技後のインタビューで涙、見ていて自分も涙してしまいました。


最終日一時トップに立ち、優勝が見えたからこそ悔しさが増したのでしょう。


メジャー大会5位で悔し涙を流せる位置(世界のトップ)に来ていることの証明だなぁ、すごいなぁと捉えましたが、素人意見なのでしょうか()


松山選手のインタビュー中で、「勝てる人になりたい。何をしたらいいかわからないけど、また一生懸命、練習したいなと思います」という言葉がありました。


それを聞いて、技術のことはわかりませんが、メンタル面において、「勝てるゴルファー」ってどんな心理的資産を持ているのだろうかと疑問が湧きました。今回のブログのテーマは、研究で明らかになっている「勝てるゴルファー」について、書いていきます。


 
まずは、ゴルフの簡単な特徴について。


(1)競技自体の難易度が高い。例えば、日本人男子プロの2017年シーズンのティーショットにおけるフェアウェイキープ率は、トップの選手でも70%ちょい(10回に3回は狙っているフェアウェイに乗らないわけです)


(2)18ホールを回るのに35時間程度(1日の競技時間)かかる。実際にスイングをしている時間はそのうち、2-3%程度と短い。従い、考える時間が多く、思考の整理、情報収集の制度といったメンタルコントロールがとても重要となってくる


(3)基本的には自身との戦いであるが、13名の競技者とグループを組んでプレーする。のプレーは当然目に入ってくる。また、ほかの競技者のプレースピード、観衆などたくさんの阻害要素の中でのプレーが求められる

(4)ルール、エチケットが複雑


ゴルフをやられたことのない方からすれば、止まったボールを固定されたホールに入れるシンプルなターゲットゲームのように思えるかもしれませんが、メンタルコントロールの観点で、心理的に最も難しいスポーツと言われています。


さらに、松山選手の置かれた立場から考えると、メジャー優勝を目指して、ゴルフをやられてきているでしょうし、「日本人初のメジャー制覇」と騒がれたり、結婚&お子さん誕生のメモリアルなタイミングということもあり、勝ちたい思いはそれはもう強かったんだろうと察します。


上述のような競技の特徴と大きなプレッシャーの中で、勝てる選手とはどういった心理的資産が必要なのでしょうか。


(モチベーション維持といった競技能力を高めるためのメンタルスキルと、大会などで持てる競技能力を発揮するためのメンタルスキルがあります。今回の投稿では、後者にフォーカスします。)


(1)気が散る要因がたくさんある中で、自身のタスクに意識を集中させるスキル


人の意識っていうのは、限られた資源なんですね。一つのことに集中すると、他の事に意識が向かなくなります。脳は同時に複数のことに意識を向けられません。観客の声、他の競技者のスコア、勝ちたいという想い、色々な要素が頭の中を駆け巡ります。その中で、意識を向けるに値するものを選択し、その他の要素をブロックするスキルが要求されます。

Zinsser氏ら (2001)の研究では、世界トップゴルファーはショットの直前から直後までに高い集中力を見せ、それ以外は必要な情報に意識を向けながらもリラックスした状態を作っていることがわかっています。


(2)自信を高め維持するスキル、特にミスショットの後にも自分の能力を信じるスキル

上述のように、難易度の高い競技ですから、自信を持って、ショットに取り組めるかが、パフォーマンスを左右します。良いショットが打てると、自信が上がるのは確かですが、いつも自身のメントレ指導でお伝えするのは、ショットがうまくいったかどうかに左右されるのではなく、まず自分から自信を高め、維持することで、良いショットが出る可能性を高めてほしいということです。特にミスショットを打つと、次うまくいくか不安になりますが、それまで何万本のナイスショットを打ってきている方が、最後の一本のショットのミスにネガティブ影響を受けるのはナンセンス、積極的に正当な自信を纏うスキルが重要です。

ゴルフではないですが、テニスに特化した研究を見つけました。Loehr氏(1984)が数百人のアスリートにインタビューをした結果、自信の高さが実力発揮に多大に影響しているという結果を導き出しました。これ以外にも、自信は成功における要素であることはたくさんの研究がサポートしています。


(3)ベストパフォーマンスを発揮しやすい“気持ちの高まり”をコントロールするスキル

前回のアイアンマンにおけるメンタルタフネスについての投稿でも書きましたが、人それぞれのパフォーマンスが発揮されやすい気持ちの高まり(インテンシティ)があります。ゴルフのような繊細なタッチを要求される競技では、一般的に引くレベルの気持ちの高まり(俗にいう冷静さ)が要求されます。冷静さを保つスキルが重要になってきます。


4)物事を前向きに捉えることが出来る視点を持つ

例えば、前の組が遅くて、少し待ちの時間ができた時に、早くしろとイライラするのか、ショットのイメージトレーニングができる時間をもらえたと捉えるのか、色々な視点があります。同じ状況でも、捉え方によって全然違う感情が出てきますよね。

トップゴルファーは他のゴルファーより、プレー中にネガティブな感情が少ないことがThomas & Over氏(1994)の研究でわかっています。後者で捉えられる脳の使い方したいですね☆


とまぁ、思いつくメインのメンタルスキルを上げるとこういうものでしょうか。


あえてスキルという言葉を使いました。なぜなら、先天的もしくは育った環境や経験でナチュラルにできる方もいますが、これらは知識を得る、またはトレーニングすることですべての方が獲得できるものだからです!


 
では、どのようにトレーニングすればいいのか?これは次回の投稿で書いていきます(^^)



それでは~
バンヒロ

2017年8月13日日曜日

アイアンマンレース成功のために必要なメンタル

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回はアイアンマンという競技の特徴から見る成功に必要な心理的資産について考えていきます!


アイアンマン70.3は、スウィム1.9km、バイク90.1km、ラン21.1kmの計113.1kmをこなす競技です。(アイアンマンはその倍です。。出来るのかな( ;∀;))


ざっくりとした特徴としては…

(1)スイム、バイク、ランと3種による全身運動であること
(2)そしてそのレースの距離が長いこと
(3)レースの過酷さから、当然トレーニングの量と質が要求される
(4)泳ぎのパートでは死者が出ることもある


まぁ一言で表すと体力的にも心理的にも過酷です。


でも、希望はこういった忍耐スポーツの成功にもメンタルスキルが有効であるという研究があるということです(笑)(O'Conner, 1992)


スポーツ心理学を学んでいて良かったーーーーー!!!


さて、そんなアイアンマンに挑戦する初心者アスリートさんにどのようなメンタルトレーニングを提供しようかなぁ(^◇^)


私が考えるメインの成功に必要な心理的資産を目的別にリストアップするとこんなとこでしょうか。

(1)長い練習期間においてやる気を起こし、持続させる(モチベーション、レジリアンス、自信)

・モチベーションコントロール「目標設定」
・自信を高める「コンフィデンスビルディング」
・モチベーションを持続させるスキル「反響プロセス」


(2)過酷な練習を過酷に捉えないようにポジティブ感情の力を借りる(ポジティブな思考の癖を身に付ける、リフレーミング)

・ポジティブ脳を作る毎朝10分の瞑想
・練習の辛さを目標に向かって進んでいる証と捉えるリフレーミング


(3)大会当日にエネルギーを持続させつつ、モチベーションは維持する状態を作る(インテンシティコントロール)

・練習時から、自身にとっての最適なインテンシティレベルを探る
・最適なインテンションレベルを維持する自身にとって最適な方法を探る


(4)恐れを克服する(ストレスコーピング)

・(私は特に泳ぎが苦手なので、)水泳に対する恐れの根源を見極める
・根源を理解したうえで、それを乗り切るコーピングストラテジーを組み立てる


(5)エネルギーを持続させるための集中力を養う(アテンションコントロール)

・長いレースの中で、意識を向けるに値するものしないものの整理を行う


(6)定期的な充電期間の設定で心身共にチャージする(リカバリープラン)

・(長い準備期間なので)積極的に、かつ、定期的に休んで心身ともに充電する
(怠けものの私の場合はオーバートレーニングにはならないでしょうが、自分がやりたいと思って練習できる状態を作ることがキーですね。)


とまぁ、こんな感じでしょうか( ◠‿◠ )


すぐにレースがあるわけではないので、上述の順番でのトレーニングで良いかもと思います。


もしレースがあるのであれば、(3)(4)(5)のトレーニングの優先順位が上がりますが。


なお、あくまで上述のトレーニングは一案です。それぞれ個別の心理的な課題(伸びしろ)がありますので、それに沿ってトレーニングをプランニングしていくことが重要です。


次回以降、このような感じでスポーツ別メンタルトレーニングについて、考えていきます☆


それでは~
バンヒロ

アイアンマンへの挑戦

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


来年6月に愛知県の知多半島で行われる「アイアンマン70.3 セントレア知多半島ジャパン」に参加することにしました。
(まだ日程も発表されてませんし、登録も受け付けていませんので、勝手にやるぞーと言っているだけです。悪しからず!)


アイアンマン70.3とは、コースの距離が70.3マイル(約113km)という意味で、いわゆるアイアンマンレース(225km)の半分の距離のものです。


トライアスロンのオリンピックディスタンス(51.5km)のものは去年完走しました。来年は、112.5km。再来年に225km完走を目指すつもりです。


理由はいくつかありますが、一番は自分が学んできたメンタルトレーニングの力を自分で体感したいということです。


ゴルフ、テニス、プレゼン…日常の至る所で自分自身メンタルアプローチを取ってきました。よりアスリートの近い立場でものを見られるように、自身を厳しい状況に追い込み、直面させ、メントレしながら体感したいなと思いました。


厳しいスポーツって何だろうと考えた時、真っ先に思いついたのが、トライアスロンです。トライアスロンのオリンピックディスタンスは昨年完走。来年はもう少し距離を伸ばして、アイアンマン70.3に挑みます。今からトレーニングを開始します。


それにあたり、自分がこの初心者アイアンマン競技者のメンタルコーチだったら、どのようなメンタルトレーニングを提供するかという視点でブログを書いていこうと思います(^^)


次回の投稿では、アイアンマンという競技の特徴から見る成功に必要な心理的資産について考えていきます!


それでは~
バンヒロ

2017年8月12日土曜日

自信の高め方(2)

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


前回に引き続き、自信(セルフエフィカシー)の高め方です。


(3)周りからのフィードバック


バンドゥラ氏の研究によると、セルフエフィカシーは、コーチ、友人、家族からの「君ならできるよ!」という激励、励ましなどの声掛けからも高められます。


日本人は周りからのお褒めの言葉を謙遜しがちですが、周りの方からのフィードバックも自信を高める一つのツールになりますので、積極的に取りに行きましょう。


また、自分のこの部分は、褒められることが多いなと冷静に分析することで、自信を高めるまたは、自分が気づいていない長所に気づけるチャンスにも使えます。



(4)気持ちの高まり


そして、最後。ポジティブなムードでタスクを遂行する時にセルフエフィカシーが高まります。


テンションが高まると、なんでも出来る気がするって感覚、経験したことありますでしょうか。


それです。


メンタルコーチの世界では、よくアスリートに、


「自身のパフォーマンスによって、感情を左右されるな。自身でポジティブな感情を作り出すことで、パフォーマンスを上げるんだ」


なんてアドバイスを送ります。


例えばゴルフで、満足できるショットを打てた時の満足感が出てきます。


逆にミスショットをしてしまうと、苛立ちや悔しさ、色んなネガティブな感情が出てきますよね。


ショット一つ一つに、感情を左右されてしまうと、自信に影響を及ぼし、パフォーマンスにムラが出てきてしまうなんてことに繋がります。


ミスショットは伸びしろ、この後リカバリー出来たらすごい、ここから自分のブレークは始まる…など、物事をポジティブかつリアリティな視点から捉えてあげることで、ポジティブな感情は作れます。


自身でポジティブな感情を作り出すことで、自信を高め、パフォーマンスを上げる。


ポジティブファーストという考え方を覚えておいてくださいね。


それでは~
バンヒロ

2017年8月8日火曜日

自信の高め方(1)

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回は2個前の投稿の続きで、自信の作り方についてお話していきます。


その投稿では、セルフエフィカシー理論を紹介しましたね。


タスクにおいて、自分はやり遂げられるんだ!という自身の能力に対する信頼感です。


このセルフエフィカシー図解すると下記のようになります↓↓




バンドゥラ氏の研究では、セルフエフィカシーを高めるには、上記の4つの要素があると言います。


一つずつ見ていきましょう。


(1)過去の成功体験


成功体験によって自信が上がる感覚、実感されたことのある方多いことと思います。


それです。


自信を持ちたいとき、自信を喪失した時、関連する過去の成功体験を思い起こしてみるというのは、有効なスキルです。



(2)他者の成功体験


他者の成功体験によって、勇気づけられる感覚を感じたことはありますでしょうか。


野茂英雄選手がメジャーで成功して以来たくさんの日本人メジャーリガーが誕生しました。


キングカズこと三浦知良選手が、海外への道を開いて以来、たくさんのサッカー選手が世界で活躍しています。


錦織圭選手や松山英樹選手の昨今の活躍により、今後テニスやゴルフで新たな選手が台頭してくるのでしょうね。


成功者が自身に近い人物であればあるほど、自分も出来るんだという思いをもたらしてくれます。


他者の成功をねたむのか、自身の自信を上げるブースターとして使うのかは、あなたのチョイスです。


いや~白熱してきました。


が、長くなりそうですので、(3)周りからのフィードバック、(4)気持ちの高まりに関しては次回の投稿で!


それでは~
バンヒロ

2017年8月7日月曜日

日本刀を買いに来たカナダ人のお話

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回は少し横道に逸れますが、最近あった面白かった体験について、備忘録も含め書いていきます(^^)


先週カナダ・バンクーバーから帰国した2日後のこと、カナダで買った、思い切りカナダと書いてあるTシャツを着て、渋谷でお買い物をしていました。


すると、明らかに困っている様子のカナダ人カップルがいました。


なぜカナダ人と分かったかというと、バックパックにカナダの国旗がでかでかと貼られていたからです。


「何を探してるんですか~?」


「東京はWi-Fiが飛んでないから、携帯を買ったんだけど、その携帯を使えるように登録できないんだ」


とのこと、店員さんに助けてもらい、何とか設定が出来、使えるようになりました。


話を聞いてみると、それ以外にも色々やりたいこといっぱいあるのに、そのセットアップをどうしようか困っているとのこと。


旅行によく行く自分としても、やりたいことに中々たどり着けないフラストレーションをとてもよくわかるし、何より、自分がカナダ旅行中に、とても良くしてくれたカナダ人家族への恩返しの気持ちもありました。


というのも、自分が妻とカナダを旅行していた時のこと。カルガリーでマラソン大会に出場したのですが、その前日に会場の下見に行きました。


60歳前後の明らかに優しそうな男性がいらっしゃって、スタッフかなと思い話しかけました。結局その方はスタッフではなかったのですが、情報収集の手助けをしてくれました。


どこから来たの~などの会話の後、ホテルはどこなの?と聞かれました。


1ヶ月くらいのロードトリップだったので、だいたい24時間営業のスーパーなどの駐車場に車を停めて寝泊まりしてたので、


笑いながら「ウォルマート」と答えました。


驚いた表情に変わり、「明日マラソン大会なのに!?」と。


多分アスリートか何かと勘違いしたのでしょう。


ただ、カナダ旅行の思い出に街を走りたかっただけなんですが、すごく心配してくれて、結局お宅に泊めていただくことになりました。


いきなりアジア人二人を連れて帰ってくる旦那に、奥様は驚かれていましたが、優しく迎え入れていただいて。


その温かさに触れることが出来ただけで、カナダ旅行は最高のものになったんです。


なので、帰国直後に目の前で困っているカナダ人を見て、これは恩返しのチャンス!と思ったわけです。


2時間程度かけて、全行程のホテル&新幹線チケットなどを抑えました。


ホテルのチェックインなどを済まし、ひと段落したところで、日本に来た目的を教えてくれました。




それは“日本刀を買うこと”。


物騒な奴なのかなと思いますよね。でも、どうやら、昔から剣道などの武術が大好きで、家に飾るように日本刀を買いたいということでした。


日本刀なんか買えるのかなと思いながら、ネットでお店を探したら、結構あるんですね。


大正時代からやっている中野のお店を見つけ一緒に行くことに。


幸い、お店の方も英語を喋れる方で、あ~楽ちん。


3時間程度みっちり談義したあげく、買っちゃいました。


近江守源久道(おうみのかみ みなもと ひさみち)氏が作った拵付きの白鞘入刀(72センチ)。250年前のものなんだとか。




この長いお名前の刀職人の方、徳川家のお眼鏡にかなった有名な職人でしてね。


立派な証明書つきなんですね。


それを買っちゃいました。そのお値段なんと…








100万円!!





わお。


100万円の買っちゃうのね。


1週間の旅行なのに、携帯を借りるのではなく、買っちゃうのもなんかすごいなと思ってたんだけど。


ホテルの値段あまり気にしてないなとは思ったんだけど。



100万円の刀を買う瞬間に立ち会うという面白い経験が出来ました。


そして、最後の夜に一緒に日本酒を飲み交わしたいと言ってくれて。


昨夜最後の晩餐をしてきました。





豪快で面白い人でした。


来年の国際応用スポーツ心理学会がカナダのトロントで行われるので、その時にでも会えるかな?


出会いに感謝!そんなお話でした。


それでは~
バンヒロ

自信について

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今後数回の投稿では、自信について考えていきたいと思います。


大きなトピックですね。


一言で自信と言っても、色々な理論があります。


ここでは、その中でも最もポピュラーで、他の研究でもその有効性がサポートされている、セルフエフィカシー理論についてお話します。




Self-efficacy(セルフエフィカシー)とは…:


提唱者のバンデュラ氏の定義によると、“目の前のタスクにおいて、得たい結果を獲得できるという、自身の能力に対する信念”です。


具体的なタスクにおいて自分は出来るというセルフイメージですね。


日本語では自己効力感などと訳されるみたいですね。


セルフエフィカシーの高さは、パフォーマンスの高さに比例している(つまり、結果につながる可能性が高い)ということが、多数の研究で証明されています。


なぜか。


セルフエフィカシーが高いとタスクへのモチベーションが高まりにより、(1)努力、(2)根気強さ、が行動に反映され、能力が高まるということです。


セルフエフィカシーを高めたいなと思いませんか(^^)?


その方法については、次回の投稿で☆


それでは~
バンヒロ

2017年8月5日土曜日

グロースマインドセットの育み方

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


前回の投稿では、成功したければグロースマインドセットを持とうというお話をしました。


今回はどのようにグロースマインドセットを育んでいくのかを考えていきましょう(^^)/


まず、明確にしておきたいのは、これが唯一の方法だ、とかこれが最も有効なやり方だというものはないということです。


全てのメンタルスキルにも言えますが、有効なメンタルスキルは人それぞれ、このメンタルスキルが全人類に効く!というものはありません。


ここではいくつかのスキルを紹介しますが、自分に合うもの(納得できるもの)の取捨選択が必要になってきます(^^)


また、まだまだ知識不足の私の投稿ですので、ここに記載されない素晴らしいスキルがあることもご理解くださいね。


さて、グロースマインドへのシフト方法についてに戻ります。


1.自分のマインドセットを知り、グロースマインドセットの人ならどのように捉えるだろうかと考えてみる


当たり前のことですが、やはり自分の立ち位置を知ることから始まります。


これはメンタルトレーニングの基本、セルフアウェアネス(自己認知)と言います。


前回の投稿では、フィックスドとグロースマインドセットを対比的に紹介しましたが、白か黒かのどちらかということではなく、連続体です。どちらかというとグロースマインドセット寄りなんてこともあるわけです。


何かに直面した時に、自分はどのように捉えているのだろうかと考えてみることからはじめてください。


そして、自分がフィックスド寄りと感じたら、グロースマインドセット(能力は成長出来るという考え方)の人ならどう捉えるかなと考えてみることです。


グロースマインドセットという眼鏡を掛けて世界を見てみてください☆



2.捉え方を変えてみる


前回の投稿で紹介した研究で証明されていることですが、同じゲームでも、そのゲームをやる意図、捉え方によって、結果が大きく異なりましたよね。


これを意図的にやっていただきたい。


意識を向けるべきは下記二つです。

(1)コントロール出来ること
(2)考えられるポジティブなリアリティ


それぞれ見ていきます。


(1)コントロール出来ること


世界中のメンタルトレーナーが口を酸っぱくして言っていること。


それは


「結果はコントロールできない。コントロールできるのは、あなたのパフォーマンスのみ。パフォーマンスの積み重ねにより、結果がついてくる」


結果がすべて的な考えをアウトカムオリエンテーションと呼びます。勝利至上主義という意味合いで、"Win-at-all-costs" attitudeなんて呼ばれます。


行動を結果で評価するわけです。まーよくある話です。


こうなると、プロセスや成長は二の次になります。


逆にプロセスを優先し、評価する捉え方をプロセスオリエンテーションと呼びます。


結果はプロセスの副産物という捉え方です。


アスリートは勝つためにやっている、ビジネスパーソンは結果を出すことがノルマなので、結果至上主義になっても仕方ないと思われる方いらっしゃるでしょう。


研究を思い出してください。


フィックスドマインドセットのグループはアウトカムオリエンテーションでした。


グロースマインドセットのグループはプロセスオリエンテーションでした。


どちらのマインドセットが結果を出しましたか。


もちろん、結果を目標に頑張ることはとても重要です。それはあなたが進む方向を示してくれているコンパスのようなものです。


ですが、結果がすべてになってしまうと、研究のように、結果が出なさそうだなと感じるとやめてしまうなんてことに繋がるのですね。


これが、コントロール出来ること=自身の行動、つまりプロセスに意識を向ける重要性です。


(2)ポジティブな現実


もう一つ試していただきたいのは、目の前のタスクにおいて、それをやることのメリットをあらゆる視点から見ること。


研究では、一つのグループにはゲームをマネージメントスキルを図るものと捉えさせました。もう片方のグループには、スキルを向上させるものと捉えさせました。研究者が恣意的に。


それを自身の意志で、意図的に捉え方を変えてほしいのです。


念のため記載しますが、リスクマネージメントの観点からも、最悪なケースを想定し、準備しておくことは重要ですよね。それを否定しているわけではありません。


リスクを考えたうえで、その反対の側面、つまり、ポジティブな側面にも意図的に意識を目に向けてあげてほしいということです。


そして、大事なのは、それを心から思えるか。そういった意味で、現実的である必要があります。


この(1)、(2)の例をあげましょう。


いきなりですが、私は筆不精です。


ブログを更新することは、基本的には得意ではありません。


このブログを始めるにあたり、「何人に読んでもらえるようになろう」などを目的にすると続かないと考えました。


誰かにこのブログを読むように誘導(FBでシェアしたり)は出来ますし、していますが、他者の行動は自分のコントロール外。


じゃあ、自分がコントロールできることは何か。ブログを書くという行動のみですね。


このブログで、読んでもらえた方に有意義な知識とスキルを提供できることを書けるようになれば、学んできたことの整理と執筆の練習なるなぁと、自身の成長という視点で捉えるようにしました。


ブログの目的を、自分コントロール内かつ、ポジティブな現実になってますよね。


こう捉えると、周りからのご指摘が有難いわけです。成長の糧と捉えられるようになります。


ちょっとはグロースマインドセットにシフトしてきているのかなと感じます( *´艸`)



まだまだ、グロースマインドセットを育む方法はあります。


次回は、その方法の3つ目の「自信を高める」について書きますね。


それでは~
バンヒロ

2017年8月4日金曜日

成功に導くマインドセット

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回はマインドセットについてです。


マインドセットとは簡単に言うと、その人の考え方価値観優先順位を指します。


それぞれの経験、教育、時代の影響などで心の中で形成され、育まれていくものです。


ビジネス誌なんかでも、マインドセットって言葉をよく目にしますよね。


マインドセットは物事の捉え方、行動と密接に繋がっていますので、アスリートにとっても、ビジネスパーソンにとっても、大切なものです。


マインドセットはその人が住む世界です。


物事の捉え方です。


目の前にあることを、前向きに捉えられるマインドセットを作ることが出来れば、アスリートの長く過酷な練習も、ビジネスパーソンの難解なプロジェクトも、ポジティブな感情を纏いながら遂行できます。


アメリカの心理学者(スタンフォード大学教授)のキャロル・ドウェック氏が2006年に成功の導くマインドセットに関する研究を発表しました。

「フィックスド(Fixed)マインドセット VS グロース(Growth)マインドセット」


フィックスドマインドセットとは
  • 自身の能力、人柄などは持って生まれたもので、成長するものではないという考え方(Fixed=固定されている)
  • 従い、自身のクオリティが大きいことを証明することが優先事項になる

グロースマインドセットとは
  • 自身の能力、人柄などは成長して変わっていくものという考え方(Growth=成長)
  • 従い、優先事項は自身の成長となる


冒頭にマインドセットはその人が住む世界と言いました。


それぞれのマインドセットの人にとって、事象がどう見えてくるか一緒に考えていきましょう。





「挑戦」
Fixed: 失敗は自身のクオリティが足りないことの証明と考えます。従い、挑戦は脅威と捉えます。
Growth: 挑戦は成長のチャンスです。むしろ挑戦できる場を探します。


「障害」
Fixed: 障害はつまづく可能性を生み出すわけですから、当然避けたがります。苦難に直面した時、あきらめやすくなります。
Growth: 障害も成長のチャンス。乗り越えることが出来る自分に出会える機会と捉えます。


「努力」
Fixed: 無駄なものです。能力は固定されているのですから。
Growth: 成長に直結する行動です。望んで努力します。


「批判」
Fixed: 自身のクオリティを否定されるものです。とにかく聞かないようにします。
Growth: 成長の糧です。批判から学ぼうとします。


「他者の成功」
Fixed: 自身のクオリティの低さを証明するものと考えます。他者の成功をねたみます。
Growth: 成功者から学べるがあると考えます。従い、他者の成功を喜びます。


ちょっと極端な記載をしてしまいましたが、同じ事象でも、こんなにも捉え方が変わるということを理解していただけましたでしょうか??


グロースマインドセットは成長に直結する行動を促す考え方です。


その行動の積み重ねが、結果成功につながるということなんですね。


アスリートのインタビューを聞いていると、「あぁ、この決断はグロースマインドセットの表れだなぁ」なんて感じることが多いです(^^)


より厳しい環境に身を置く日本人メジャーリーガーやサッカー選手などなどね。



一つ研究をご紹介します。アメリカでWood氏とBandura氏がマネージャー経験のあるMBAの生徒向けに行った研究です。


生徒達には、家具屋を経営する複雑なシミュレーションゲームが与えられました。高い生産性を生み出すことを目指すゲームで、適材適所の人材配置やそれらの人材にやる気を持たせる指示の出し方まで決めなければならないものでした。特に時間の制限は設けられていませんでしたが、目指す生産性の値もかなり高く設定されていて、あえて難解なものされていました。

研究者は生徒たちを二つのグループに分けました。


片方のグループには、「このゲームはあなたの能力、資質を図るものです。結果が出せれば、経営者として成功する可能性が高い」と伝えられました。フィックスマインドセットへの誘導ですね。


もう片方には、「経営者としての能力、資質は成長し伸びていくものです。このゲームは必要な知識、スキルを学べます。」成長に意識を向けさせました。グロースマインドセットへの誘導です。




どちらのグループが高い生産性を達成したと思いますか?








グロースマインドセットのグループですね。大差の圧勝です。


フィックスドマインドセットのグループの生徒たちは、評価を気にし、醜態をさらすことを恐れ、早い段階でゲームをあきらめていきました。


グロースマインドセットの生徒たちは、評価を気にせず学び続けました。ミスやフィードバックから学び、戦術を変えながら、成長していきました。


結果、高い生産性を達成したわけです。


グループのメンバーは無作為に選ばれました。優秀な生徒を集めたわけでもありません。


もともとグロースマインドセットの生徒を集めたわけでもありません。これがすごい!


ゲームに対する捉え方を変えるだけで、こんなに差が出てくるんだということを教えてくれる研究ではありませんか(^O^)/?




マインドセットはあなたが住む世界です。


どんな世界に住みたいでしょうか。


周りの人があなたをどう思うか。大事ですよね。大事ですが、あなたがコントロールできることではありません。


あなたがコントロールできるのは、自身の行動マインドセットです。


自分の力を周りに証明するために使っている時間を、成長のための時間に変えましょう!


変えることはできます!


どうやって?


それは次回のブログで。


それでは~
バンヒロ

2017年8月3日木曜日

スポーツ&パフォーマンス心理学のスキルと効果

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回はよくあるメンタル面のトラブルから、スポーツ&パフォーマンス心理学の効果について考えていきましょう(^◇^)


よくあるパフォーマンスに関するメンタルに起因するトラブルというと下記のようなものが挙げられます。

・モチベーション欠如
・自信の欠如
・集中力の欠如
・パフォーマンス不安(あがり症など)
・心理疲労
・パフォーマンスにムラが出てしまう
・プレッシャーの環境下でいつも通りのパフォーマンスが出せない


アスリートのみならず、多くの方にもあるあるとうなずいていただけるのかなと思います。


私も学生時代はテニスに打ち込んでいました。自信を持ちきれない、パフォーマンスにムラが出る、プレッシャーが掛かるといつも通りにテニスが出来なくなることがしょっちゅうありました。


また、社会人になってからも、仕事にやる気が起きない、集中力が続かないなんてこと多々ありました。


スポーツ&パフォーマンス心理学は、こういうトラブルを解消する知識・スキルを研究している学問です。


具体的のスキルを下記します。

・マインドセット
・目標設定
・コンフィデンスビルディング(自信を身に付けるスキル)
・アテンションコントロール(効率的に集中力を使うトレーニング)
・メンタルルーティン
・セルフトーク/アファーメーション
・リラクゼーション
・メンタルリハーサル(俗にいうイメージトレーニング)


このようなスキルを使い、トラブル解消しながらパフォーマンス向上を目指すわけです。


以前のブログでも述べましたが、大事なのでもう一度言わせてください。


スポーツ&パフォーマンス心理学は、上述のメンタルトラブルに悩まれた経験のあるすべての方に有益です。


そして、「僕はメンタル弱いんで」、「私はそういう遺伝なので」と思われている方。メンタルトレーニングで悩みは改善されます!


そろそろ具体例に入っていきますね。次回はマインドセットについて、書いていこうと思います。


それでは~
バンヒロ

大儀見 浩介師匠

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回はスポーツ心理学の話から少しそれてメンタルコーチの話をします。


昨日1年ぶりにお会いすることが出来ました。大儀見 浩介師匠




メンタルトレーニングに特化した法人の株式会社メンタリスタ代表取締役


「クリスティアーノ・ロナウドはなぜ5歩さがるのか~サッカー世界一わかりやすいメンタルトレーニング」、「サッカーメンタル強化メソッド」など既に著書5冊


メンタルトレーニングの第一線で御活躍されている方なんです。


去年のAASP(国際応用スポーツ心理学会)@アリゾナでお会いしてから、役1年ぶりの再会でした(^^)


おいしいお肉を食らいながら(笑)メンタルトレーニングのパイオニアから現場のお話や目指されていることを直接聞けて、それはもう胸躍る時間だったわけですよ!!
(あ、お肉&お酒ご馳走になってしまいました。ご馳走様ですm(_ _)m)


すごい方なのですが、なんでもまっすぐ気さくにオープンに答えていただける方で、そういところもクライアントから厚く支持される理由なんだろうなと感じました( *´艸`)


経験豊富で実績のあるメンタルトレーニングを探されている方は、是非メンタリスタをググってみてください( ◠‿◠ ) ↓↓


株式会社メンタリスタ
http://mentalista.jp/


こういう方の背中を追っかけながら、活動できる自分はすご~く恵まれていますね!感謝☆


それでは~
バンヒロ

2017年8月2日水曜日

成功に必要な人間性って?

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


前回のブログでは、成功には人間性(=心理的資産)が必要なのではというお話をしました。言葉でいうのは簡単ですが、成功に必要な人間性って何なのでしょうね。


結論から言うと、成功に必要な人間性はその分野による、ってことなんじゃないかなと思います。


…なんだそりゃ、と思われたかもしれません。ざっくりスポーツとビジネスという大きな分野の違いを見ていきましょう。


スポーツの特徴(一般論):
1.目標がわかりやすい(Win or Lose)
2.即時に結果が出る
3.結果=一発勝負

ビジネスの特徴(一般論):
1.目標が複雑
2.結果が出るのに時間が掛かる
3.結果=仕事の蓄積


もう一度言いますが、これは一般論でもちろんスポーツやビジネスの種類によって異なります。こういう違いがあるので、アスリートはビジネスパーソンに比べて、プレッシャーマネージメントが重要になってくるでしょうし、ビジネスパーソンはモチベーションの維持がより重要になってくるかもしれませんね。


ここで言いたいのは、自分のパフォーマンスの舞台において、どのような心理的資産が成功に必要なのかを考えていただきたいということです。


私の大好きな研究者、作家兼パブリックスピーカーのShawn Achor氏の研究で、成功の要因になる要素の75%は周囲のサポート、そしてストレスをチャレンジと捉える前向きさだと主張しています。


周囲のサポートはSocial capital(社会関係資産、前回の投稿参照)に分類されるとしても、前向きさは心理的資産以外の何物でもないですね。


人の幸福を科学するポジティブサイコロジーという心理学の分野があります。その学問では、前向きな脳は大人になっても作れるということが証明されています。


この研究は多岐にわたる分野のビジネスパーソンを対象に行われたものですが、全人類に適応できるとは言い切れないかもしれませんが、多くの分野で必要なもののように思えます。


上述のものを参考にしながら、自分の舞台で活躍するために必要な心理的資産って何だろうと考えてみてください。何が必要かわかるとトレーニングしたい気持ちが出てきませんか(^^)?


前向きな脳の作り方(トレーニング方法)は、一般論をある程度カバーした後、各論説明の段階で説明させていただきますね☆


それでは~
バンヒロ

心理的資産という考え方

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回はPsyCap(心理的資産)という考え方についてです。



PsyCapとはPsychological Capitalの略語で、日本語では心理的資産なんて訳されたりします。ビジネスで成功を収めるために必要な資産ってなんでしょうか?



Economic Capital(経済的資産)、Human Capital(人的資産)、Social Capital(社会関係資産)…これらが挙げられるでしょうか。



先日デンバーで行われた若手ビジネスパーソンを育てる勉強会に参加してきました。
そこには知事の右腕として活躍されている方、大手銀行の役員、法律家、起業家などなど、7名のパネリスト方がいらっしゃいました。そのみなさんに、あなたのように成功するのに最も必要なものは何ですか?とシンプルで難しい質問をぶつけました(笑)



なんと6人から同じ回答。なんだったと思いますか?








人間性だそうです。結局は人柄だと。


そう考えると、成功に必要な資産って下記のような図にまとめられるんでしょうね。




スポーツの分野でも、昔から心・技・体という考え方がありますよね?心・技術・体力がそろって、素晴らしいパフォーマンスが出せるというものです。最近では、戦術も重要ですから、心技体+知なのかなとも思います。


心の必要性をみなさん知っているわけなんですね。でも、どれだけの方が、技術・体力の鍛錬に掛ける時間を心の鍛錬にも費やしているのでしょうか。


私がデンバーの公立学校のゴルフ部のメンタルコーチをしていた時、最初のセッションで生徒たちに、「ゴルフにおいてメンタルってどれくらい重要なの?」と質問をしました。


「99%はメンタル」とある子が答えてくれました。それくらい重要ということでしょう。


「なるほど。ではどのくらいの時間を心の練習に費やしているの?」と聞くと、はっとした顔をして「ゼロ」とのことでした。


心も技術習得同様に鍛錬が必要なのですが、勝手に身についていくことを期待している人が多いです。心を鍛錬するものという考えがないことと、心の鍛錬の方法がわからないということなんでしょう。



このブログでは、心の鍛錬の必要性と鍛錬方法を紹介していきまーす♬


それでは~
バンヒロ

2017年8月1日火曜日

スポーツ心理学基礎知識

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


今回はスポーツ&パフォーマンス心理学とは何かというお話です。


心理学ですので、当然を研究する学問です。その中でも、スポーツ&パフォーマンス心理学は、ヒトのパフォーマンスをどうすれば高められるのかに集中し科学的に解明することを目的としています。


パフォーマンスというのは、スポーツだったり、ダンスや演劇であったり、ビジネスパーソンにとっては日常の仕事です。


スポーツ心理学という名前なので、アスリートのみに関係あるのかなと思われる方もいらっしゃいますが、より良いパフォーマンスを願うすべての方役に立てる学問なのです。これがこの投稿で一番伝えたいポイントです(^◇^)


スポーツ心理学のメンタルスキルを使い、下記のような効果を達成することにより、パフォーマンスを高めます。


1)やる気アップ
2)ストレス解消
3)自信がみなぎる
4)集中力アップ
5)チームワーク向上、などなどです。


世の中にはたくさんのノウハウが溢れています。その中でも、研究で証明されているもののみを採用することをEvidence based practiceと言います。


心理アプローチにおいて、これが唯一のアプローチというものはありません。世界にはたくさんの素晴らしいメンタルコーチがいらっしゃいますが、それぞれが自身のアプローチを組み立てていきます。そういう中で大事なのは、研究で証明されているものを採用していくこと。自由だからこそ、エビデンスを重ねていくことが重要ですね。


このブログで提供する情報も、私のコンサルティングでもEvidence baseであることを信条としていきます!


それでは~
バンヒロ

ブログ始めました

こんにちは。メンタルコーチの伴です!


プロフィールにも書いていますが、私は7年間商社で働いたのち、2015年から2年間アメリカはコロラド州にあるデンバー大学の大学院で、“スポーツ&パフォーマンス心理学”を学んできました。


2017年7月29日に帰国し、これを機にメンタルコーチとしての活動(とこのブログ)を始めました。アスリートやパフォーマーはもちろんのこと、ビジネスパーソンなど多くの方に、パフォーマンスを高めるマインドセットや感情のコントロールスキルを広く伝えていきます( `ー´)ノ


米国在住中には、現地の高校の部活、大学の消防士育成コース、そしてプロサッカーチームの下部組織向けなどのメンタルコーチングを行ってきました。また、現在は日本の有名大学の体育会へのメンタルサポートを行っています。


このブログでは、アメリカの大学院で教えるメンタルに関する知識とスキルはもちろん、私自身の経験を基に、“日常に使えるメンタルスキル”を提供を目的に更新していきます。


メンタルコーチ・バンヒロで覚えてくださいね。


それでは~
バンヒロ